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「ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭/コメントログ」 赤ゆザマァwやっぱりこういう話は落ち着いて読めるな! -- 2011-01-21 17 42 04 個じゃなくて匹ってどういう事? 人でもないし -- 2011-03-16 21 45 51 ↓↓この人でなし!自分の子供に対してこのSSのような態度がとれるのか!!! -- 2011-08-23 13 42 40 愛好家「パクッ! これは虐待の味!」 -- 2011-11-28 17 23 43 ↓↓はいはい凸厨はアンチ掲示板に帰ってね -- 2012-01-01 11 22 56 おかーさーん!汚饅頭かってよー! -- 2012-04-10 21 58 23 xfgbhifh -- 2012-05-25 00 39 17 ↓×2 汚饅頭www -- 2012-11-17 13 48 00 湯栗町→ゆぐりまち→ゆっくりまち こんな感じの設定ですか? -- 2012-11-25 17 22 38 アンチがわざわざこういう場所に来るってのはあれか?ツンデレって奴か? -- 2013-01-18 09 36 54 すばらしい -- 2015-09-03 01 37 57 それなり -- 2018-08-25 23 33 33 美味そう -- 2019-03-30 13 53 36 やめてやれよー(建前グゥレイトっ!(本音 -- 2022-10-24 14 48 57
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海祭り05(ロココ島の結果で1人1屋台)【※注釈をご覧ください】 海祭り06(屋台利用券)III付き 一部の当たりアイテムのみ掲載しています ■ぽよくじ LV80 頭: 胴: 脚: 右: 左:でかクマ(赤) LV80 頭: 胴: 脚: 右: 左:でかクマ(黒) LV80 頭: 胴: 脚: 右: 左:でかクマ(茶) LV80 頭: 胴: 脚: 右: 左:でかクマ(緑) LV80 頭: 胴: 脚: 右: 左:でかクマ(紫) LV64 頭: 胴: 脚: 右:景品ぽよ袋α 左:景品ぽよ袋β LV31 頭: 胴: 脚: 右:景品ぽよα 左:景品ぽよβ ■ぽよすくい LV77 頭: 胴: 脚: 右:ぽよーヨーα(青) 左:ぽよーヨーβ(青) LV77 頭: 胴: 脚: 右:ぽよーヨーα(赤) 左:ぽよーヨーβ(赤) LV77 頭: 胴: 脚: 右:ぽよーヨーα(黄) 左:ぽよーヨーβ(黄) LV34 頭: 胴: 脚: 右:ぽヨーヨーα(青) 左:ぽヨーヨーβ(青) LV34 頭: 胴: 脚: 右:ぽヨーヨーα(赤) 左:ぽヨーヨーβ(赤) LV34 頭: 胴: 脚: 右:ぽヨーヨーα(黄) 左:ぽヨーヨーβ(黄) ■射的 LV65 頭:カブトキャップ 胴: 脚: 右:ころころカブトα 左:ころころカブトβ LV62 頭: 胴: 脚: 右:だっこうさくんα 左:だっこうさくんβ LV52 頭: 胴: 脚: 右:だっこうさちゃんα 左:だっこうさちゃんβ LV33 頭: 胴: 脚: 右:だっこうさα 左:だっこうさβ ■ビール屋 LV58 頭: 胴: 脚: 右: 左:ビールサーバー ■うまいもん屋 LV53 頭: 胴: 脚: 右:ミックスクレープα 左:ミックスクレープβ ■ぽよ焼き LV52 頭: 胴: 脚: 右:ぽよやきα 左:ぽよやきβ ■飴屋 LV46 頭: 胴: 脚: 右:わたがしα 左:わたがしβ LV 頭: 胴: 脚: 右:大りんご飴α 左:大りんご飴β ■お面屋 LV 頭:ぽよのお面 胴: 脚: 右: 左: LV51 頭:逆パンダのお面 胴: 脚: 右: 左: ■輪投げ LV35 頭:おもちゃバンド(青) 胴: 脚: 右: 左: LV35 頭:おもちゃバンド(黄) 胴: 脚: 右: 左: LV35 頭:おもちゃバンド(緑) 胴: 脚: 右: 左: LV35 頭:おもちゃバンド(桃) 胴: 脚: 右: 左: 【注釈】海祭り05氷屋のレアがわかりません(初登場でもいきなりI付き) ぽよすくいの[ぽよヨーα][ぽよヨーβ]は存在するのでしょうか? 情報をお持ちの方はぜひご一報をお願いいたします 海祭り06で追加された屋台レアアイテム ■お面屋 LV100 頭:うさぎ隊長お面 胴: 脚: 右: 左: ■ぽよくじ LV100 頭: 胴: 脚: 右: 左:ぽよガラガラ ■射的 LV80 頭: 胴: 脚: 右:射的ぽよ 左: ■飴屋 LV80 頭: 胴: 脚: 右:チビ飴 左: ■ぽよすくい LV55 頭: 胴: 脚: 右:ぽよ釣り 左: ■輪投げ LV49 頭:わんこ首輪 胴: 脚: 右: 左: ■氷屋 LV39 頭: 胴: 脚: 右: 左:氷像ぽよ ■うまいもん屋 LV35 頭: 胴: 脚: 右:ぽよバーベキュー 左: ■ぽよ焼き LV30 頭: 胴: 脚: 右:こげぽよ 左: ■ビール屋 LV55 頭: 胴: 脚: 右:ぽよサーバー 左:
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「ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね/コメントログ」 な、なんてとかいはなありすなのぉぉぉぉ!!! -- 2010-06-19 06 09 30 レイパー臭がするありすかと思ったら中々どうして気合入ったゆっくりじゃないか・・・ まぁ、結局退路を塞ぐ極めてゆっくりらしい結果を残したけどw -- 2010-07-09 04 14 35 ゲスまりさの家があっけなく吹っ飛ばされた場面で吹いたwww -- 2010-07-15 10 54 52 どうみてもレイパーの育成所ww -- 2010-07-24 11 28 18 とてもとかいはなじゅぎょうね!!とかいはなおちびちゃんのためになるわ! -- 2010-09-23 20 30 52 おうちが吹き飛ばされても生き残ったゲスまりさに拍手を -- 2010-11-17 00 21 50 逃げろぉ!!!ゆ虐ってレベルじゃねーぞぉ!! 鬼井山来てたんですかwww -- 2011-09-20 19 14 42 今回はアリスがちょっと真面目だな・・・・・・・・・・・最初を除いて -- 2012-07-07 21 31 21 やめろれいぱーwww赤ゆにれいぷを叩き込むんじゃないwwwww -- 2012-10-06 13 43 27 最期ちょっと悟りきって悲しいじゃねーか…… しかし、ありすwwお前なに教えてんだwww -- 2012-11-27 22 14 08
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作:神奈子さまの一信徒 淡々とした観察系小ネタです。 南の島シリーズでちょっと出したむらさの生活史について考えてみました。 ほとんど独自設定、ちょっとだけ南の島後半の外伝要素あり、ご注意ください。 『むらさの舟歌』 地球の表面積の七割を占める、海。 母なる海と賛美されるその場所は、太古の昔から、生命のゆりかごであり、 同時に、大空や地上よりも古くから激闘が繰り広げられてきた戦場でもある。 水中の覇権を争うもの、海底の覇権を争うもの、 海藻の上、砂の隙間、わずかなニッチを争い、共有し、 命の欠片は今日も桜吹雪のように海中に狂い咲き、舞い散っていった。 「よーそろー!!!」 そのような環境に進出したゆっくりがいた。 むらさである。 むらさは、ゆっくりの中でも珍しい海棲種であり、主に浅海域に棲息してい る。にとり同様、表面に特殊な皮があるため、水に溶けないとされているが 詳細はまだ分かってない。 大きさは成体でサッカーボール程度、サイズ自体は標準的なゆっくりで ある。外見的特長は黒い髪、真っ白な水兵帽と、その中にしまい込んである 石灰質のあんかーである。中には柄杓を持っている個体も観察されているが、 すべての個体が持っているわけではないらしい。 むらさは希少種として知られ、大枚をはたくことをいとわなければ、ペット ショップでも手に入ることがある。水上まりさよりも飼育は困難であり、繁 殖に成功したという例は正式な報告としては確認されていない。 しかしながら、天然の浅海域においては、むらさ種は決して珍しい種ではな く、海域によっては食物連鎖の重要な地位を占めていることもある。 近年は飼育技術・分子生物学の発達によって、品種改良を受けた、純淡水産 むらさ種、陸上飼育用むらさ種などが試験的に生産され、ダム湖やビオトー プへの放流、愛玩用として少数ながら出回っている。これらについては本報 告では触れない。 ここに、近年の研究によって明らかになったむらさ種の天然環境下での生態 について記す。 春はむらさ種の繁殖期にあたる。冬の間、浅海域に生育する海藻類をたっぷ りと食べた成体むらさは、春になって南からの暖かい海流が勢力を増すと、 発情し、すっきり、産卵を行う。 「むらむらするよ~!!!とってもむらむらするよ~!!!」 「「すっきりー!!!」」 「あ゛~、もうがまんできない!!まだむらむらしちゃう~!!!」 頬を赤らめ、全身からぬめぬめした粘液を放出してすっきりするむらさ、し ばらくするとその頭から茎が伸び、先端に半透明のカプセルに包まれた赤む らさが生じる。 「むらむらするあかちゃん!ゆっくりしていってね!!!」 どこか間違っているが、とりあえず赤ちゃんが生まれたことを喜ぶ親むらさ。 植物性出産の場合、すっきり後2−5日で、赤むらさが自分でカプセルを食 べて孵化する。 「ゆっくちちていってね!!」 「ゆっくちむらむらちゅるよ!!!」 「よーしょろー!!!」 生まれた赤むらさは合計13匹。彼らは親の保護を受けず、そのまま海へと 散っていく。植物型出産の場合、生まれる赤むらさは小さく、その代わりに 水兵帽が体に対して大きい。この水兵帽の中にガスを分泌し、それによって 海面近くに浮き、海流に乗って分散するのである。 「うみさんにぷーかぷーかしゅるよ!!」 「ぷーかぷーかはゆっくりできりゅね!!!」 この時期を赤むらさの「浮遊期」と呼ぶ。 浮遊期のむらさには、遊泳能力はほとんどなく、その移動は海流任せとなる。 そのため、生きていくのに不都合な環境にたどり着いてしまうケースも多い。 「ゆゆ!?なんだかおみじゅさんのあじがかわっちゃよ!!」 この赤むらさは河口に近づいているようだ。満潮時の海から川への逆流に乗 って、川の中に侵入する。 「ゆゆ!?きょきょはごはんしゃんがいっぱいだよ!!!」 河口付近の海水と淡水が交じり合う汽水域は、河川が上流域から運んできた 栄養塩が流れ込むため、プランクトンなどの餌が豊富なエリアである。 そのため、汽水域に集まり、餌が豊富なこの環境で幼い時期を乗り切る魚種 は少なくない。 「むらむらしゅる!!むらむらしゅるよ~!!!」 先程の赤むらさは全身を紅潮させ、粘液を放出している。 「ねばねばさんにごはんさんついちゃよ~!!むーしゃむーしゃ…ちあわし ぇ~!!!」 浮遊期のむらさはこの粘液を網のように海中を振り回し、そこに付着したプ ランクトンや水中懸濁物を粘液ごと食べるのである。 「ゆゆ~!!!ぽんぽいっぱいだよ…ちょっちょくるちいよ…」 だが、それは食べすぎのせいだけではなかった。この赤むらさは川に深く入 り込みすぎていた。 「ゆぴぴぴぴ…くるちいよ…ゆっくり…できにゃい…」 淡水の影響が強い水域に入り込むことで、むらさの浸透圧調整能力の限界を 越えてしまったのだ。淡水が全身からむらさの体内に入り込んでくる。 ビー玉ぐらいの大きさだった赤むらさは、今や、テニスボール大にまで膨れ 上がっていた。だが、その体は薄く風船のようであり、今にも破裂しそうだ った。 そして、限界が訪れる。 「もっちょ…むらむら…しちゃ…ゆびびっ!!!」 ポンッという音が聞こうてきそうな勢いで赤むらさは破裂した。目と皮は四 散し、中身の黒蜜だけが少しずつ海水に混ざり、分散していった。 成長すると、塩分変化への耐性も備えるようになるが、浮遊期の赤むらさは まだまだ脆弱である。 また、この時期は外敵に対して無防備であり、浅海域の表層付近を遊泳する ボラやイワシ、アジなどに捕食される。また、ミズクラゲも運動能力の乏し い浮遊期のむらさには脅威である。 「ゆゆ~!?なんじゃかゆっきゅりちたものがぷーかぷーかちてるよ!!」 ミズクラゲがその傘の部分で作り出す水流、またはその触手に触れれば最期 である。 「いじゃい!!!いじゃいいい!!!ぴりぴりはゆっぐりできにゃ!?きもぢ わぶっ!!!ゆげえええ゛!!!」 先程の赤むらさはミズクラゲの触手に絡め捕られ、無数の刺胞を打ち込まれ ていた。人間ならピリッと一瞬痛みが走る程度だが、赤むらさには致命傷で ある。体は麻痺し、もう逃げることは出来ない。 「ゆげっ!!ゆ゛!ゆ゛!ゆ゛!!」 そのままクラゲの口に取り込まれ、胃に収められてしまった。こうなっては 消化されるだけである。クラゲは体が半透明な種類が多いため、赤むらさが クラゲの体内で溶けていく様子はじっくり観察できる。 一時間もすれば、赤むらさの皮はぐちょぐちょになり、体のどこがどこなの か見分けがつかなくなるだろう。 ミズクラゲには効果がないものの、これらの捕食を避けるために、浮遊期の 赤むらさは流れ藻に集まり、隠れ潜むように生活するものも多い。 ただし、流れ藻にたどり着けるかは、完全に運次第である。 この脆弱な浮遊期も後半になると、赤むらさはスーパーボールぐらいの大き さに成長し、この頃から海水中の炭酸カルシウムを取り込んで、石灰質のあ んかーを作り出す。また、水兵帽の体に占める割合が小さくなり、徐々に浮 力を失って、生活圏を海の表層から、次第に底層へと移していく。 餌は相変わらず、粘液によるプランクトン捕食が中心だが、浮遊期後半には ある程度の遊泳力も発揮できるようになり、海藻などにしがみつき、その表 面に付着している微小甲殻類なども捕食するようになる。 だが、まだまだ捕食者に対しては脆弱である。 「ゆあああああ゛!!!だじゅげで!!!おざがなざんはゆっぐりでぎないい いいいい゛!!!」 このむらさはメバルに追われていた。生活圏が底層に移行することで、主な外 敵はメバルや、マダイ、クロダイ、アイナメなどに変わってくる。鋭い歯で何 度も齧りついてくるフグ類も恐ろしい捕食者である。 「ゆびいいいい゛!!!いやああああ゛!!!ごれじゃあむらむらできなああい いいい!!!ゆぎっ!?」 アイナメがむらさを一飲みにしようとする。しかし、むらさが動いたため、背 中の皮が少し千切れただけだった。 「ゆぎゃああああああ゛!!!いじゃい!!!いじゃいよおおおお゛!!!」 アイナメの追撃により今度は水兵帽を食べられてしまう。 「ゆあああああ゛!!!ぶらざのほごりだがいおぼうじがああああ゛!!!」 ガスを貯める水兵帽を失うと、むらさは浮力の調節ができなくなるため、もう 逃げることはできない。例え、逃げ切ったとして、海底で這い回ることしかで きなくなり、生存確率は激減する。 「おぼうじいいいいい゛!!!ぶらざのぼうぶぶっぺっ!?」 浮力を失い、ゆっくりと沈んでいくむらさはアイナメにパクリと食われ、咀嚼 されて死んだ。アイナメはあんかーをぺっと口から吐き出すと、次の餌を求め て泳ぎ去っていった。 あんかーが一定の大きさになるまで生き延びることが出来ると、むらさは海底 に着底し、海底付近に生活圏を移す。この頃には子むらさと呼べる大きさに成 長し、遊泳力も成体に比べて遜色のないものとなる。この時期を「着底期」と呼 ぶ。 また、あんかーによって砂の中に潜ることが可能となる。 「ゆゆ!!ここならすなさんにもぐれそうだよ!きゅーそくせんこー!よーそ ろー!!」 子むらさはまず、表面の砂を口からの水流で吹き飛ばし、そこにあんかーを差 し込む。潜砂性の底棲生物としてはゴカイや二枚貝が知られているが、ゴカイ では体液の充填により膨張させた頭部を、二枚貝では砂の中に滑り込ませた足 を膨張させ、アンカーとすることが知られている。そして、それを足がかりに 体を砂中に潜り込ませていくのである。 「すなさんをぷーぷーするよ!!からだをもじもじさせるよ!!またぷーぷー するよ!!」 基本的な潜砂行動は、ゴカイ、二枚貝、そしてむらさも同様である。 水を吹き付けることで、砂の間隙を作り、掘りやすくする。そこへ、あんかー へ体を引き寄せるようにして、砂の中に体を潜り込ませていくのである。 このとき、むらさは体を小刻みに震わせることで、砂の中への侵入を容易にし ている。この行動を「もじもじさせる」とむらさは呼んでいるようだ。 「すなのなかでおもうぞんぶんむらむらするよ……うひょおおおお゛!!」 こうして砂の中に潜り込んだむらさは、水兵帽の先端と目だけが砂から出るよ うに位置を調整し、その姿勢で外敵の通過や、餌生物の接近を待つ。 「…ふぅ…」 ちょうど、むらさが潜った辺りに小さなエビがやってきた。砂の中を探るよう にハサミ脚を突っ込み、有機物の破片などを次々と口に運んでいる。 むらさは体の上に乗っている砂が落ちないように、姿勢をやや高めにとる。 餌がよく見えるようにである。 「そろーり…そろーり…」 そして砂に隠れたまま、少しずつ、エビに接近する。不意にエビがむらさの 方に接近したその瞬間、 ぱくっ! むらさは砂の中から飛び出し、周囲の水ごと飲み込むようにして、エビを口 内に納めてしまった。エビがびくびくと動いて抵抗するが、後はもう咀嚼す るだけである。 「むーしゃむーしゃ…すぃあわすぇ~!!!」 そして、しあわせ宣言を済ませると、再び砂に身を隠す。慣れた個体だと、 一連の行動に一分費やさないという。 「…むらさはここにはいないよ~…」 この他、むらさはバカガイや小さなアサリなど、貝殻の薄い二枚貝をあんかー で割って捕食する。巻貝は割りにくいのか、捕食した事例は観察されているも ののあまり好まないようだ。 「着底期」からは、このような潜砂行動と、遊泳力の向上によって、むらさの生 存確率は一気に高まる。ここまでくれば成体はあと一歩であるが、やはり外敵 に襲われ命を落とす個体もいる。 先程のむらさに何やら魚影がせまる。 ナルトビエイである。 エイは頭を砂の中に突っ込み、二枚貝や甲殻類を探して捕食する。むらさに対 しては特に好んで攻撃しているわけではないが、うまく逃げなければ捕食され てしまう。 ナルトビエイが砂の中を頭部で探り、砂の中に隠れていたむらさをツンツンと つつく。 「…む、むらさはここにいないよ~…つつかないでね!…そんなにつつかれたら むらむら…ぎょわあああああ゛!!!」 むらさはナルトビエイに吸い込まれるようにくわえられた。 「はなじでね!!むらさはおいじぐないよ!!はなじでね!!むらさはゆぎゅう うう!?」 むらさはナルトビエイにゴリゴリと咀嚼され、体がぐちょぐちょにされてしま った。 「ゆぎゃあああああああああ゛!!!ぶらざのがらだがあああああああ!!!ぶ ぎゅう!?」 そして、飲み込まれ、あんかーだけが吐き出された。 ナルトビエイが接近してきた時点で、タイミングよく全力で泳ぎ去れば、まだ逃 げられたかもしれない。 こちらでは、むらさマダコに捕まっていた。 触覚で砂の中にいる貝類を探るタコにとって、むらさのように表面近くに潜砂 する小動物は決して捕獲するのは難しい餌ではない。 「やべでね!!!タコさんやべでね!!!ぞんなにざれだら、むらさごわれぢゃ うううううううっ゛!!!」 いろいろと勘違いしているようである。 マダコは食べられるのか確かめるように、むらさを腕でいじくりまわす。 「ゆひいいいいいっ!!!きゅうばんさんですりすりされるとっ!!!んほおお おおおおおおんほおおおっ!!!」 だが、タンパク質代謝で生きるタコにとって、炭水化物が多いゆっくりは魅力の ある餌ではなかったらしい。マダコはむらさを放り出すと、さっさと次の餌を求 めて行ってしまった。 「どぼじでええええええっ!?どぼじでずっぎりざぜずにいっじゃうのおおおお おお゛!!?」 中途半端にむらむらさせられたむらさは、その後しばらく、海中で吼え続けた。 このような砂で底質が構成された浅海域で子むらさは成長する。そして、夏にた くさんの餌を食べ、急速に成長したむらさは、晩夏には成体サイズになり、言葉 も巧みに話せるようになる。 この頃になると、体が大きくなったことで、むらさを積極的に襲う捕食者は浅海 域にはほとんどいなくなる。また、あんかーで潜砂することはあまりなくなり、 あんかーは純粋に捕食のための道具として、堅い貝類やウニを割るのに使われる ようになる。 成体になると、皮が丈夫になり、度々海岸に上陸して餌を探したり、干潮時の干 潟で跳ねている姿が目撃されている。呼吸はそもそも皮膚呼吸であるため、水中 でも陸上でも呼吸は可能である。 ここまで来ると、適時水分を補給しさえすれば、一般家庭でも水槽を用意しなく ても飼育も可能であるため、成体はペットショップに出回ることがある。 よく、いたずらで、水上を帽子で移動するまりさを攻撃するところが目撃されて いるが、それは成体のむらさによるものである。 「まりさはこの川を渡ったら、れいむに告白して、ふぁーすとでぃーぷちゅっ ちゅをするんだ!」 とある河川の河口近く、まりさは水路を対岸に向けて渡っていた。まりさは滅多に 行かない浜辺に行き、きれいなピンク色のサクラガイを拾ってきた。 これをプレゼントとして、今日こそれいむに告白するつもりなのだ。ずっといっし ょにゆっくりしようと。 「れいむ、ゆっくりまっててね!まりさはいまいくよ!!」 自然と櫂を漕ぐ動作も軽快になる。 まりさは告白することに何の心配もしていなかった。れいむの態度から、れいむも きっと自分のことが好きなんじゃないかと、感じられる節があった。 「ゆ?」 異変に気がついたのは、水路の中ほどまで来たときだった。帽子が浸水しているの である。 「どぼじでおぼうじざんにぉみずざんはいっでぎでるのおおおおおお゛!?」 よく見ると、帽子の先端がちぎられたようになくなっていた。 「おみずさんこないでね!!まりさのおぼうしからでていってね!!」 だが、水はどんどん入ってくる。 「どぼじでおみずざんどまらないのおおおおおおおっ!!!」 まりさは慌てて櫂を漕いだが、もう帽子の半分まで水が来ている。 「てきかんげきちん!!よーそろーっ!!!」 まりさの後方でむらさが声をあげる。このむらさがこっそりまりさの帽子の先端を齧 り取ったのだ。 「そんなごどよりだじゅげで!!!ばでぃざじんじゃう!!!たじゅげでええ゛!!」 泣きながら助けを求めるまりさに対して、むらさは答える。 「あ~あ、早く行かないと愛しのれいむちゃんがとられちゃうよ!!」 「いいからだじゅげでえええええええ゛!!!」 「きっと今頃、ほかのゆっくりとすっきりしてるんじゃないかなぁ?」 「ぞんなごどないいいいいいっ!!!」 まりさは顔を真っ赤にして反論する。 それに対して、むらさはからかうような声で答えた。 「すごい~!すごいよ~!れいむむらむらしちゃう~!!!まりさなんかとは比べ物 にならない~っ!!すっきり~っ!!!」 「やめろおおおおお゛っ!!!ぞんなわげあるがああああっ!!!」 まりさはかんかんに怒り、帽子が沈みつつあることも忘れていた。既にあんよの皮が ふやけ、少しずつ餡子が水に溶け出している。 「まりさってだれ!?そんな変なお帽子野郎のことなんか忘れてもっとすっきりして ええええっ!!!」 「ふんぎいいいいいいっ!!!でいぶはばでぃざがずぎなのおおおおっ!!!」 「きっと今頃まりさよりも汚くてかっこ悪いゆっくりにだまされてたくさんすっきり してあかちゃん産んじゃってるじゃない?全弾命中!よーそろーっ!!!」 「ゆがががあああああああっ!!!ゆ゛ゆ゛!?おみじゅざんがっ!!!ぶぶぶ…」 まりさがむらさの戯言に付き合っている間に、帽子は浸水し、まりさはもうあんよが 溶け出して動けなくなっていた。 「せめて…すっきりしてから……」 結局、ばら色の新婚生活を夢見たまりさは溶けてしまった。 「りあ充しね!」 むらさはそういい残すと、満足そうに海へと帰って行った。 このような行動から、むらさの棲息する水域は水難事故が多い難所として、まりさたち に恐れられているという。 秋になると、むらさは繁殖シーズンを迎える。むらさの繁殖シーズンは春と秋の年二 回であり、春に生まれた個体が秋に成熟し、にんっしんっ可能となるのだ。 この時期の海中では、発情したむらさが番をつくり、あちこちですっきりをしている。 「むぅらぁむぅらぁするよほほほほほほほほほほほひひひっ!!!」 「ふう…すっきり…♪…」 飼われているむらさはともかく、天然の環境下ではいつでも繁殖できるわけではない。 生まれた赤ゆたちがゆっくり育つことが出来る季節、それを狙って、繁殖期を合わせて いるのだ。このような一斉すっきり時のむらさは「むらさむらむら」と呼ばれることもあ る。一斉すっきりをしなくても生きていける飼育環境下では見られない行動だが、むら さのシンボルとも言える繁殖様式である。 「むらさのぺにぺには世界一ィィィッ!」 「よぉぉぉおそろぉぉぉぉぉお゛っ!!!」 「仰角15度!!!んほおおおおおおっ!!!初弾!!命中!!!」 むらさの下腹部にそびえ立つは劣情の摩天楼。 全身から大量の粘液を放出しながら、すっきりが行われる。むらさの飼育が難しいと されるのは、この大量の粘液によって、一般的な水槽の水量では急激に水質が悪化し てしまうためである。そのため、通常はむらさが陸上生活に適応するのを待って、繁 殖を行おうとするブリーダーが多いようだ。 この時期は夏の豊富な餌によって、春の繁殖よりも肥えた個体が多く、そのため、すっ きりも、動物型が中心となる。 動物型すっきりの場合、生まれてくるのは、既にスーパーボールほどのサイズにまで成 長した赤ゆであり、植物型の赤ゆとは違い、生まれてすぐに海底に着底、砂に潜って生 活する。直達発生と呼ばれるタイプの、浮遊期を経ない、赤ゆである。 「ゆっくり!!ゆっくりあかちゃん産んでね!!!」 ここでも一組のむらさのカップルに新しい命が生まれようとしていた。 「みゃみゃからしゅっこうちゅるよ!よーしょろー!!!」 「よーちょろー!!!ゆっくちしていってね!!」 「おちびちゃああああん!!!ゆっくりしていってね!!!」 「ぱぱににて、すごいゆっくりしたおちびちゃんだよ!!」 父むらさも母むらさも元気そうな赤ゆの誕生に心から喜んでいた。 動物型にんっしんっのため、一度に生まれる数は少ない。その代わり、春産卵群とは異 なり、親とともに生きていくことが出来る。そのため、秋産卵群は生存確率は高く、生 息域の拡大ではなく、安定した環境で個体数を維持するための産卵群であると言えた。 「さあ、おちびちゃんたち、ごはんさんにするよ!!」 父むらさが捕まえておいた、ハゼや二枚貝を持ってきた。ハゼは予め、頭部を噛み砕い てある。また、二枚貝はバカガイ(アオヤギ)や小さめのアサリのような殻の薄いものを、 石灰質のあんかーで割ってから捕食する。 「むーしゃむーしゃ!!しあわせ~!!!」 「ぐぅ~れいとぉっ!!!」 直達発生によって生まれた赤ゆたちは、この後、両親と共に漁の練習をする。 「きょうはぱぱがごはんさんの捕り方を教えるよ!!」 「「ゆっくりりかいしたよ!!よ−そろー!!」」 父むらさは二匹の赤むらさを藻場に連れてきた。砂地にアマモが繁茂しているが、夏は 強い紫外線によって、多くの海藻・海草類が減少する季節であり、この時期に見られる のはまだ幼草体を中心とした小さな藻場である。 しかし、既にアマモの根本に付着したイガイ類、その表面や間隙に棲息する微小甲殻類、 その周辺には雑多な稚魚が集まっており、漁の練習台としては申し分なかった。 「くささんには、いろんなごはんさんが隠れてるんだよ!ゆっくり捕まえてね!!」 「おしゃかなさんうごかにゃいでね!!!」 「ゆええええ!!なんじぇにげりゅのおおおおおっ!!!」 赤ゆたちは無駄な動きが多く、稚魚を捕まえることが出来ない。何度か、父むらさが見 本を見せたが、一向にダメだった。 「むぅ~…最初はみんなへたくそだよ。むらむら頑張ろうね~!!」 父むらさが赤ゆたちを励まし、海藻表面にくっつく甲殻類や二枚貝の食べ方を教え始め た。 「こういう草さんの周りにはあみさんが群れてるよ。」 父むらさが示したのは、海藻や藻場、海底付近に蚊柱のような群れをつくるアミである。 アミはエビに似た外見を持つ小型甲殻類で、海水魚飼育などの生き餌としてよく利用さ れる。 父むらさはアミの群れの周りをぐるぐるとまわり、少しずつアミの群れを小さく、しか し、密度の濃いものにしていく。 「おちびちゃんたち!!今だよ!!!」 「「よーしょろー!!!」」 二匹の赤むらさは勢い良く、アミの群れに飛び込み、口いっぱいにアミをくわえる。 「むーしゃむーしゃ…しあわしぇ~!!!」 「あみしゃんはむりゃむりゃできるよぉ~!!!」 父むらさからすれば無駄の多い食事であったが、初めての漁に、二匹とも満足してい るようだった。 こうして赤むらさたちは両親の指導を受けてすくすく成長し、一ヶ月もすれば、子む らさと言える大きさにまで成長していた。 晩夏から秋半ばにかけて、この地域は度々台風が襲ってくる。大型の台風はその風雨に よって沿岸域の生態系を一時的に攪拌してしまう。 沖合いの生物が沿岸に持ち込まれ、逆に沿岸の生物が沖合いに運び去られる。 さらに高波によって、砂浜は削られ、海藻はちぎれ飛んでいった。 「まだだよー!!」 「がんばっててーはくしてね!!おちびちゃんたち!!!」 台風などで水中が荒れたとき、通常、むらさ種はあんかーを砂の中に打ち込んで、荒波 や水流に流されないようにする。しかし、今回の台風のように、あまりにも水中の攪乱 が強い場合、丈夫そうな海藻などの茎に齧りついてやり過ごすのである。 むらさたちは、このような行動を「てーはく」と呼んでいた。 「ゆぎいいいひいいひいひいっ!!!もうむりじゃよおおおお゛っ!!!」 「おぎゃああじゃあああんっ!!!おぎゃあさんのおくちさんにいれでえええっ!!!」 直達発生の赤ゆたちは既にそれなりの大きさであるため、親むらさの口の中に隠れられ るのは生まれて最初のうちだけである。 赤むらさたちは自力で歯を食いしばり、荒れ狂う水界に立ち向かわなければならなかった。 「ゆぎいいいいいっ!!!ひゃあっ!!!」 姉むらさが遂に力尽き、食らいついていた茎を離してしまう。 「おねえちゃあああんっ!!!」 妹むらさは必死にあんよを伸ばした。しかし、姉むらさが噛み付いたのは、妹むらさが必 死に差し出したあんよではなく、お尻だった。 「お゛ね゛え゛ぢゃあああああああああああああああんっ!!?」 姉むらさは流されまいとして、必死に妹むらさの尻に食らいつく。生まれてからとりあえ ずひどい目にあっていないはずの妹むらさのぷりぷりした尻に、ぐいぐいと姉むらさの歯 が食い込んでいく。 「ふごごごっ!!!ほへんへええええええっ!!!」 「いじゃあああいいいいっ!!!むらじゃのぷりちーなももじりがあああああっ!!!」 姉むらさの顎が耐えられなくなるのが先か、それとも妹むらさの尻が耐えられなくなるの が先か… ぶちっ! 「「!!?」」 一番最初に荒れ狂う海に耐えられなくなったのは、二匹が噛み付いていた海藻だった。 「おぢびぢゃあああああああああっ!!?」 「むらざのびずぼじだだるいいぶずめがああああああっ!!?」 「おぎゃああしゃああああんっ!!!」 「おどうじゃあああああああんんんん!!!」 子むらさの姉妹は荒波にもまれ、海藻もろともどこか遠くの海に流されてしまった。 流されたむらさ姉妹は大きな流れ藻にあんかーをひっかけて海面を漂っていた。周 囲には同じように沿岸域から流されたのであろう、何匹かの稚魚が流れ藻の影を泳 ぎ、流れ藻の上には甲殻類の幼生や小さなタコの子供がしがみついている。 もうどれくらい海を漂っているのか分からない。海は深まり、海底はとっくに見え なくなっていた。眼下には底の見えない海が広がり、太陽光線も届かないその奥底 には、何やら薄暗い空間が広がっている。時折、大きな魚影が真下を通ったり、夜 中に光る何かが周囲を泳ぎ回っては、姉妹は身を寄せ合うように流れ藻にしがみつ き、息を潜めた。 「ねえさん、またおさかなさんいっぴきいなくなってるよ。」 「きっと、ゆっくりできなくなったのよ…」 その日、姉妹はこの流れ藻のマスコット的存在であった、可愛い小さなタコを分け 合って食べた。妹は流されて以来よく遊んでいたこのタコを食べるのを最後まで嫌 がったが、もう簡単に食べられそうな流れ藻の付着生物は食べきってしまっていた のだ。また、稚魚の類はまだ漁の経験が乏しい二匹には捕まえるのが困難であった。 姉むらさは一度稚魚を捕まえようとしたものの、気がついたら流れ藻から遠く離れ た、真っ青な海中に稚魚と二匹で取り残されたことがあった。なんとか懸命に泳い で流れ藻にたどり着き、事なきを得たものの、まだ子供のむらさ姉妹には、この広 い海の真っ只中で、一匹取り残されるという感覚はトラウマとなった。 それ以来、姉妹が流れ藻を離れて行動しようとすることはなかった。 「むーしゃ…むーしゃ……」 「ふう…そこがみえないうみじゃ、ゆっくりもむらむらもできないよ…」 現状では起きていても体力を消耗するだけである。姉妹は食事を終えると、まだ日 も高いうちから交代で眠りについた。日中は、片方が起きて警戒と、周囲の観察を 行う。そして、夜間は二匹とも眠りにつき、命を運に任せてきた。どうせ、夜行性 ではないむらさの目では、夜間はほとんど何も見えなかった。 ふと姉妹が目を覚ましたとき、周囲にはかつてないほど無数の生命がうごめき、何 かが光り、そして泳ぎ回っていた。 「おねえちゃん!!おほしさまがうみのなかにっ!!!」 かつて父むらさが内陸部で見たことがあるという、蛍とはこういうものなのだろう か?それともこれは人の巣の光だろうか? それは日周鉛直移動−昼と夜で深海と表層を往来するアミやハダカイワシの群れだ った。ちょうど、複数の海流がぶつかる栄養塩に満ちた海域まで流されてきたのだ ろうか?そして、それらに導かれるように、真っ暗な深海の奥底から、影しか見え ない魚が、煌びやかな光を身にまとったクラゲが、そして流れ星のような不思議な 動きをする生き物(姉妹は知らなかったが、発光器官を備えた外洋性のイカである) が海中の星空へと加わっていった。 「きれいだねえ…おねえちゃん、おほしさまはうみのなかでもとてもゆっくりして いるよ。」 「でもなんだかむらむらしてて、ゆっくりできないおほしさまもいるよっ!!!」 それは獰猛な捕食者たちによる凄惨な捕食の現場であった。 一つ、また一つと小さな光が消えるたびに、儚い命が海へと還っていく。 それはまるで、宇宙の深遠で誕生と消滅を繰り返す星々の無窮動曲のようであった。 そのとき、いくつかの影が流れ藻に接近してきた。影は流れ藻の周りに集まると、 つつくようにして、流れ藻表面の微小な付着生物を食べていく。 微かな星明りに浮かぶ黒い羽のシルエット、トビウオだった。 その度にむらさ姉妹があんかーでしがみつく流れ藻はぐらぐらと揺れた。 「ゆええええええっ!!!やべでね!!!ゆれるよ!!!ちんぼつしぢゃうよおお おおっ!!!」 「あっぢいっで!!!おざがなざんあっぢいっでね!!!じーじーずるよ!!!」 トビウオの大きさから丸飲みにされることはないだろうが、自分達の唯一の拠り所 が揺れる度に恐怖し、姉妹は泣きじゃくった。姉はお尻を振りながらしーしーをば ら撒いたが、ちゃんと流れを読んでしーしーしなかったため、自分のところに戻っ てきただけだった。 「ゆわあああんっ!!!おねえじゃんのじーじーのにおいがずるっ!!!」 「ゆべべ!!!しーしーのんじゃっだよっ!!!」 あまりに騒ぎすぎたせいか、それともしーしーの臭いに魅かれたのか、トビウオは 姉の体を口でつまむように突いてきた。 「いやあああああああああ゛っ!!!やべでえええっ!!!むらざおいじぐないよ おおおおっ!!!つつかないでえっ!!!」 「やめてね!!おねえちゃんにひどいことしないでね!!!」 ぷくーっをして威嚇する妹むらさ。しかし、この程度の大きさのぷくーっではトビ ウオ相手にお話にならなかった。もっとも、今は夜なので、どのみち外敵を威嚇す る効果など皆無なのだが。 べりりっ! 「ゆんやあああああああああああああああ゛っ!!!」 姉むらさの頬の皮が薄くはがされてしまった。 「ゆぎゃあああっ!!!いじゃいいいっ!!!いじゃいよっ!!!だじゅげでぱぱ ぁっ~!!ままぁ~っ!!」 泣き喚く姉むらさ。幸い、まだ中身の黒蜜は漏れていなかったが、トビウオに取り 囲まれている限り、それは時間の問題のように思えた。 「だじゅげでええええっ!!!いじゃいいっ!!!じにだぐないいいいっ!!!」 流れ藻から離れて泳いで逃げるべきか?それともこのままトビウオがいなくなるの を待つべきか? 姉妹は迷った。 このまま流れ藻に留まれば殺られる。 かといって、逃げたところで、浅海域に棲息するむらさがこの海底の見えない沖合 いの海域で生きていけるとは思えなかった。 第一、食べるものにも困り、疲労しきった自分達が、このトビウオから逃げられる 保証はないのだ。 「おねえじゃんっ!!!」 逃げよう! そう妹むらさが言おうとした瞬間だった。 ぱっと散るようにして、トビウオの影はむらさ姉妹がしがみついている流れ藻から 離れた。姉むらさを突いていたトビウオだけ反応が遅れる。 姉むらさを突いていたトビウオの体が不自然によじれ、何者かに捕らえられた。 アオリイカによる攻撃である。 アオリイカは沿岸性のイカであり、釣りの対象として有名である。 アオリイカはトビウオを触腕で捕らえ、まず、トビウオの頭の後方、人間で言えば 頚椎のあたりを齧り、脊髄を分断してトビウオの動きを封じると、その肉をゆっく りと齧りながらどこかへ行ってしまった。 「た…た…たすかった…?」 むらさ姉妹はそれ以上言葉をつむぐことも出来ず。ただ流れ藻に隠れるようにしが みつき、その夜を過ごした。 翌日、いつの間にか眠ってしまっていたむらさ姉妹が目を覚ますと、中天の太陽光 が燦々と海水に突き刺さっていた。心なしか、水の色が明るく、水そのものも暖か い。 「ねえさん、なんだかうみさんがぽーかぽーかするよ!!!」 「ほんとうだね!!むらむらしてくるよっ!!!」 傷は大したことなかったのか、姉むらさは軽口を叩いた。 「ゆ!?よーそろー!!!ろくじのほうこうになにかいるよっ!!!」 妹の声にふと、姉むらさが後ろを向くと、後方の表層を何か、黒くて大きなものが 泳いでいた。 「なんだろう!?むらむらするよかんが…」 「えいさん!?」 それはマンタ、オニイトマキエイであった。 「よーそろー!とってもおおきなえいさんだよっ!!」 マンタは熱帯、亜熱帯の暖かい海に生息する。プランクトン食の大型エイであり、 その体重は3トンにも達する。我々が夏の海で遭遇するようなエイが、一般的に 砂地の中に隠れている底棲生活者であるのに対して、マンタはその大きな胸鰭で 悠然と泳ぐように表層を遊泳する。 「ゆっくりしていってね!!」 「あんなおっきなおさかなさんはむらむらするよぉっ!!!」 マンタはぐんぐんと水中を飛ぶように前進し、勢いをつけて水の外へと飛び出し た。 「「おおおおおおおおっ!!!」」 マンタのジャンプが一体何のために行われるのかは、今も結論が出ていない。一 説には寄生虫を払うためとも言われている。 「「よーそろおおおおおおおっ!!!」」 むらさ姉妹は感嘆の声を上げ、マンタのジャンプを注視した。 何トンという体が空中を飛ぶのだ。圧巻である。 そして、マンタは倒れこむように、空中から海中へ、ちょうどむらさ姉妹の真上 へと着水する …真上? 「ぼんばぁぃえ゛っ!!!」 「ねえざあああああああああああああああああああんっ!!!」 マンタの巨体はむらさ姉妹がしがみついていた流れ藻を直撃した。 濛々と白い気泡が辺りを乱舞し、流れ藻はマンタの体に割られるように四散した。 姉むらさには最期のセリフを言う時間すら与えられなかった。 そして、姉むらさの体も、流れ藻に混じって、ちぎれ、水中をぼろぼろと落下して いった。 「ねええざあああああああああああああんっ!!!」 妹むらさはマンタの着水の衝撃で流れ藻から放り出され、水中をくるくると回転し ていた。その間、妹むらさが最後に見た姉むらさの姿は、ぼんやりと水中を分散して いく黒蜜の姿だった。 その日の夜も前日と同じ光景、深海からやってくる血生臭いプラネタリウムがむらさ の下方で展開された。しかし、前回のように、それを美しいと思うことも楽しむこと もできなかった。 ただ一匹、水面近くから眺める真っ黒な深淵は、舞い踊る光の乱舞は、ただひたすら 不気味だった。 妹むらさは流れ藻の破片にしがみつき、夜明けが来るのを待った。しかし、もう限界 が近かった。流れ藻はちぎれ、餌らしい餌は何も残っていなかった。おまけに、流れ 藻に集まっていた稚魚もどこかへ行ってしまった。 そして何より、これ以上、ただ浮かんでいるだけの長旅を一人で続ける自信も、理由 もなかった。妹むらさはそっとあんかーを流れ藻の破片から外した。 「おとうさん…おかあさん…ねえさん…むらさは…もう…」 むらさは目を閉じて波の動きに身をゆだね、ゆっくりと沈んでいった。 そして、むらさの体はサンゴ礁に横たわった。 とある南の海、サンゴ礁が鮮やかな海で、一匹のむらさがウミガメから逃げていた。 「来ないでね!!!むらさは食べられたくないわ!!」 お尻に残った実の姉の歯形の痕…あの妹むらさの成長した姿である。 どうやら、むらさはそれなりに場数を踏んできたようだ。 巧みにウミガメの追撃をかわし、サンゴの影に隠れる。 ウミガメはしばらく辺りを泳いでいたが、諦めたのか、それとも別の獲物を見つけたの か、どこかに泳ぎ去ってしまった。 「ふう…やっとゆっくりでき…」 そのとき、むらさの視界に入ってきたのはレモンザメだった。レモンザメは最大で3m ほどにもなる暖かい海に生息するサメである。その名はそのレモン色の体色から来てい るが、実際は個体差もある。 今回、むらさが見つけたのは、体長70cm前後のまだ若いレモンザメだった。若い個体 はしばしば、リーフ内の浅い海に入ってきて捕食を行う。いくら海中に適応したむらさ でも分の悪い相手であった。 砂に潜るか…それとも陸に逃げるか…? 妹むらさは成体と言えるサイズになって皮が丈夫になり、乾燥への耐性を備えたことで ある程度陸上でも行動できるようになっていた。 むらさは一度上陸して、この捕食者をやり過ごすことにした。隙を見てサンゴの影から 抜け出すと、波打ち際に飛び跳ねるように逃げていく。 「…ふう…ここまでくればゆっくりできるわ…」 そこは真っ白なサンゴ砂に覆われた浜辺だった。海の中では感じることのなかった、照 りつけるような太陽が痛い。まだ、陸上での生活経験が乏しいむらさには強すぎる太陽 だった。 それでも、さめさんといっしょよりはゆっくりできるわね… むらさは太陽から逃げるように木陰に跳ねていった。 「おや?見ないゆっくりだね!ゆっくりしていってね!」 そこにいたのは見たことのない二匹のゆっくりだった。 大きな耳を持った笑顔の素敵なゆっくり 「ぼくはなずーりん」 そしてもう一匹は頭に可愛い花を乗せた、少しおどおどしたゆっくり 「…しょうです…」 「むらさ、わたしはむらさよ。」 むらさは初めて会う別のゆっくりにどう振舞っていいか分からなかった。 「きみはどこの飼いゆっくりなんだい?」 なずーりんと名乗ったゆっくりはむらさが野生だとは思わなかったようだ。 南国の太陽の下、照りつける太陽に濡れた黒髪に魅かれるものがあったのかもしれない。 「わたしは海から来たの。にんげんさんに飼われているわけじゃないわ!」 「すごいや!しょう聞いたかい!?海に棲んでるんだって!!」 なずーりんは目を輝かせる。むらさはなずーりんが一体何に驚いているのか良く分から ず、少々困った顔をしていた。 「うん…海の中ってどんな感じなのかな?…とっても興味あるよ…」 しょうと名乗ったゆっくりも海に興味があるらしい。このゆっくりたちにとっては、海 の中の世界がそんなに珍しいのだろうか? 「ねえ、むらさ?これからぼくらが面倒見てもらっているお兄さんのゆっくりぷれいす に行かないかい?きみの棲む海の中に興味があるんだ!ゆっくりした話を聞かせてよ!」 「わたしも…お話聞いてみたいかな?…」 まあ、いいか むらさはそう思った。どうせレモンザメがいなくなるまで、海の中に戻るつもりはない。 それに一度、地上をゆっくり見てみたかった。 「いいわよ!みんなで一緒にゆっくりしましょう!」 快諾したむらさの笑顔に、なずーりんとしょうの顔もほころんだ。 「ねえ、むらさぼくらと同志になってくれないかな?」 「同志ってなに?」 「一緒に遊ぶと楽しい友達のことさ」 なずーりんの笑顔は無邪気でとてもまぶしかった。 むらさはこの二匹と一緒ならば、たくさんゆっくりできるような気がした。 海の中しか知らなかったむらさは、なずーりんとしょうの二匹に出会い、様々な思い出を 作っていくことになる。 陸地から海に進出し、また再び陸にも上がろうとするむらさ種、このゆっくりはどこを目 指すのだろうか? まぶしい太陽の下、むらさの新しい生活が始まった。 完 神奈子さまの一信徒です。 私の専門である水棲ゆっくりって、にとり、むらさしかいないなぁ~ってことで書いてみ ました。すわこはカエル、いくは深海魚、ぬえはカニっていうイメージもあるのですが、 どうなんでしょう? あまり一人で独自のゆっくり量産するのも気が引けましたので、南の島シリーズ後半でち ょい役で出てきたむらさにスポットライトを当ててみました。 こんなのむらさのイメージと合わないという方、ごめんなさい。 お目汚し失礼いたしました。 挿絵:絵本あき
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お誕生日おめでとう! 11KB 虐待-いじめ 餡娘ちゃんお誕生日ネタ ※お祝い絵はたくさん産まれるのに、お祝いSSが産まれないので 『お誕生日おめでとう!』 D.O 季節はもうすぐ春です! って言っても、相変わらず寒い毎日は続くわけで、 たまたま私がやって来た、この木々もまばらな林の中でも、 ゆっくりの跳ねまわる姿なんて、全然見えない。 「でも大丈夫!なんと言っても今日は、私、餡娘の誕生日なのだ!」 餡娘は、ゆ愛での化身! だから、餡娘がこの林に来た以上、ゆっくりが発見される事はあり得ないのだ! しかもしかも、今日は餡娘ちゃんの誕生日なんだからねっ!! 「ゆゆ~ん。おちびちゃん、ゆっくりうまれてね~。」 「れいむとまりさのおちびちゃん、とってもゆっくりしてるね~。」 あ・・・ホントに居た。 数分後。 私は、林の中にある一本の大きな木の根元で、うつ伏せに寝転がっていた。 木の洞に作られた、野生のれいむとまりさのつがいが住むおうちの中を覗き込むためだ。 「ゆっくりどっかいってね!ぷくー!」 「や・だ。うふふふ。」 おうちをじーっと覗き込まれて、れいむもまりさも機嫌がよろしくない。 そりゃまあ、ゆっくりだっておうちの中はプライベートスペースだもんね。 プライバシーを完全無視じゃ、気分がよくないのもわかるわ。 それに、このつがいがナーバスになる理由は、なんと言ってももう一つ。 「おちびちゃん、ゆっくりうまれてね~。」 「おねーさんは、はやくゆっくりどっかいってね!ぷくー!」 れいむの額から伸びた茎、そこにはなんと! 2匹の赤まりさと3匹の赤れいむ、かわいぃ~・・・ 肌つやは最高で、栄養状態はすこぶる良好!! 表情もとってもゆっくり~。 冬ごもりのシーズンに子作りしてる割には、親子そろってゆっくりしてるよー。 「もうちょっとだけ、ね。私もお誕生日なのに、だーれもお祝いしてくれないのよぉ。一緒にゆっくりしよ~。ね?」 「ゆゆっ!?じゃあ、おねーさんもおちびちゃんと、ばーすでーさんがおんなじなんだね!」 「ゆっくりしてるね~。まりさ、おねーさんにも、おちびちゃんのうまれるところ、みせてあげようね!」 この、れいむの頭上に実った新しい命たちは、 今にも生まれそうにプルプルと震えているのだ。 ゆ愛で世界のトップランナーである私とおんなじ誕生日なんて・・・なんて幸せーなおちびちゃん達。 ぷるっ!ぷるぷるっ! 「ゆっ!?おちびちゃん!うまれそうだよ!!」 色々考えてる間に、茎にぶら下がってる赤ゆっくり達が震え始めた。 両親達の期待に胸いっぱいな表情!とっても幸せそう。 「おちびちゃん、ゆっくりうまれてね!ゆっくりだよ!」 「れいむ、ちゃんとべっどさんにおとしてあげてね!おちびちゃんがゆっくりできないよ!」 うふふ・・・きっと、この日のためにがんばってきたんだろうな。 木の洞に作ったおうちも、土を掘って拡張した跡もあるし、 中には小石一つ転がってないよ。 おうちの一番奥には、冬だって言うのに草花や木の実、虫さんまでたっぷり蓄えてあるし、 あのネコジャラシさんとかは、ひょっとしておちびちゃんのためのオモチャかな? 産まれてくるおちびちゃん達を受け止めるクッションも、 枯れ草とか木の皮まで編み込んで、まるで鳥の巣みたい・・・作るの大変だったよね。 「おぢびぢゃん、ゆっぐぢぢでいっでね!ゆっくりしびぇっ・・・っ!!」 「まりさ、おちついてね!ごあいさつはゆっくりしないと、おちびちゃんがかわいそうだよ!」 あのうろたえ方・・・きっと、初めてのおちびちゃんなんだね。 きっと私も、産まれてくる時はこんな風に、 期待されて、祝福されて、愛されて産まれてきたんだな・・・なんか、もう感動してきちゃった。 「きゃわいいれいみゅが、ゆっくちうまれりゅよっ!!」 ぷるぷるっ・・・・ぷちっ! ひゅーん・・・べしゃっ!! 赤れいむを受け止めたのは、両親が丹精込めて作ったベッドの中・・・ ・・・に私が置いた、平たい石。多分、テーブルとかに使ってるのかな? 「びぇっ・・!?・・・ぴ・・ぴぇぇぇえええ!!いぢゃいぃいいいい!?」 「ゆぁぁああああ!?どうぢでべっどさんに、てーぶるさんがおいてあるのぉぉおお!?」 「ゴメン。つい、置いちゃった。」 「「どうぢでそんなごどずるのぉぉおおお!?」」 「だって、かわいいんだもの~。」 「ゆぁーん、いちゃいよぉ、ゆっくちできにゃいぃぃ。」 そうは言っても石の下にあった、ベッドのクッション性のおかげで、特に怪我は無かったみたい。 おとーさんとおかーさんに感謝してね!! 「ゆっくりちかづかないでね!おちびちゃんがゆっくりできないよっ!!」 「おちびちゃん、ゆっくりしてね。ぺーろぺー『ぷるっ!!』ゆゆっ!?ほかのおちびちゃんもうまれるよ!!」 今度は、父まりさが、平たい石(テーブル)を踏んで、私が触れないようにしてる。 一回で対処してくるなんて、ゆっくりしたおとーさんだね! 「しゅてきなまりしゃが、ゆっくちうまれりゅよっ!!」 ぷるぷるっ・・・・ぷちっ! ひゅーん・・・ぐしゃっ!! まりさを受け止めたのは、両親が丹精込めて作ったベッドの中・・・ ・・・ではなく地面の上。私もベッドさん、触ってみたかったんだもん。 「ぴゃ・・・ぎ・・ぴゅぁぁああああ!?まりしゃの、わいるどなあんよしゃんがぁぁああ!?」 「ゆぎぃいいいい!!おねーさん、いいかげんにしてねぇぇえええ!!」 「ちょっとくらいいいじゃん。ケチ。」 そんなこんなで、5匹の赤ゆっくりは、ちょっと泣いちゃったけど、 怪我も病気も無く、元気いっぱいに誕生! ベッドさんの中でもしょもしょと這いまわり、ぷにぷにと動き回ってる。 「あんよはいたくない?ぺーろぺーろ。」 「ゆぅ~ん、ゆっくち~。まりしゃ、たふがいだから、ゆっくちだいじょうぶにゃんだよ!」 「ゆふふ、しょうらいがたのしみだよ~。」 「くきさんをむーしゃむーしゃしてね。」 「むーちゃむーちゃ・・・ゆぁーん、かちゃいよー。」 「ゆふふふ、ちょっとまってね。『ぽりぽりむしゃむしゃ・・ぺっ』ゆっくりたべてね。」 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!」 「みゃみゃー。しゅーりしゅーり、ちあわちぇー。」 「すーりすーり、私のお肌、気持ちいい?」 「しゅーりしゅ・・・ゆ?おにぇーしゃん、だりぇ?」 「「・・・ゆぁぁあああ!!おぢびぢゃんにざわらないでぇぇええ!!」」 せっかく家族の団らんに混ぜてもらおうと思ったのに・・・残念。 でも、このゆっくりした家族なら、きっと私のお誕生日も、おちびちゃん達の分と一緒に、 お祝いしてくれるよね! 絵師さんや作家さんみたいに薄情じゃないよね!! 「れいむ!まりさ!おちびちゃん達!」 「「さっさとどっかいってね!ぷっくー!!」」 気にしない気にしない。 「おねーさんと、お誕生日会しましょ!!」 「ゆぅ?」×5 「お、おねーさん?おたんじょうびかいって?ゆぅ?」 「今日産まれた事を、みんなでお祝いするのよ。ゆっくりできるでしょー!」 「ゆ・・・ゆわーい!れいみゅ、ゆっくちおいわいされちゃーい!」 さすがゆっくりしたおちびちゃん。 ノリも最高ね! 「お、おちびちゃ・・・」 「まりさ。おいわいは、ゆっくりできるよ。おちびちゃんたちとゆっくりしようね。」 「ゆぅぅ・・・れいむぅ。あのおねーさんは、ゆっくりできないよぉ。」 「でも、おねーさん。」 「ん、何?れいむ。」 「おたんじょうびかいって、なにをするの?」 「お祝いの歌を歌ってー、ケーキのろうそくの火を吹き消してー、お誕生日の人にプレゼントをあげるの。」 「ゆぁーい!けーきしゃん、あみゃあみゃ!あみゃあみゃー!」×5 「へぇ。産まれたてなのに、ケーキ知ってるんだ。ま、いいか。それじゃ、お歌歌おうね!」 「ゆっくちー!」×5 ハッピー・バースディ 詞・曲 餡娘 空は碧く澄みわたり 風は草原の爽やかな香りを運ぶ でも、私は一人 瞳が空の碧さをうつす事は無く 心にうつる空はいつもくすんだ灰色 足元には餡子の染みが一つ この餡子は私の移し身 消えてしまいたいと背を丸めるが 私の願いはかなう事も無い ああ ハッピーバースディ 私のバースディ 誰もいない 誰も気付かない 私のバースディ 「・・・・・・。」 「ゆ・・・ゆぁぁああああん!!ゆっぐぢでぎないぃいいいい!!」×5 「「おぢびぢゃんをいぢめるなぁぁあああ!!!」」 「・・・・・・。じゃ、ろうそくに火、つけよっか。」 「ゆっ?」 ぼっ・・・ぼぅわっ! そして、餡娘は赤ゆっくり達のお飾りに、ライターで火を灯した。 「ゆ・・ゆぴゃぁぁああ!!れいみゅのりぼんしゃん!もえにゃいでぇぇえぇ!!」 「まりしゃのおぼうち、もやしゃにゃいで・・・『ぼぅっ』ゆぴゃぁぁあああん!!」 「「やべでぇえええ!!おぢびぢゃんをもやざないでぇぇえええ!!」」 「おちびちゃん・・・うふふ。今、消してあげるね・・・」 ふぅっ・・・あれ?消えないね。ふぅー。うふふ、逃げちゃだめよ。 ・・・・・・。 餡娘は、とても楽しそうに、ゆっくりと一匹づつ、息を吹きかけてあげた。 火を消すにはあまりにも弱く、優しく、ゆっくりと。 ・・・・・・。 「おぢびぢゃ・・・おぢ・・ぺーろぺ・・ゆっぐぢぢでぇ・・・」 「ゆ゛・・・ぴゅぅ・・ゆぴぇ・・・」 おリボンの上手に外せない赤れいむ達は、そのまま全身を炎に包み、 ベッドごと全身を焼かれ、黒こげで痙攣を続けるだけの饅頭になった。 「おぼうち・・・まりしゃの。・・・まりしゃのおぼうちぃいぃいい・・・」 「おぢびぢゃん、ゆっぐぢ、ゆっぐぢぢでぇぇぇ・・・」 お帽子を脱ぐことができた赤まりさ達も、 ゆっくりにとっては命と同等の、お飾りを焼き尽くされた事では同様であった。 「「どうぢで・・・どうぢでぇ・・・」」 このつがいは、夢にまで見たゆっくりしたおちびちゃん達を、 手に入れて数分で奪われたのであった。 「だって・・・私の、お誕生日なんだもん・・・」 そう言った餡娘ちゃんの両手には、両手に一本づつ、 その辺で拾ったのであろう、太い木の枝が握られていた。 「「ゆ・・や、やめてね。ゆっくりできないよ。ゆ、ゆっくりやべでぇ・・・」」 「素敵なプレゼント・・・ちょうだいね・・・・・・。」 半刻後。 つい先ほどまで明るい声で鳴いていたおちびちゃん達は、 一匹残らず黒く焦げた塊に姿を変えていた。 そして、たくさんのおちびちゃん達に囲まれた、 ゆっくりとした未来を夢見ていたれいむとまりさのまむまむには、 ささくれ立った木の枝が、そっけなく突き刺されていた。 2度とおちびちゃんを産む事が出来ないように。 2度とお誕生日のお祝いが出来ないように。 ※こんなことにならないように、餡娘ちゃんのお誕生日はしっかり祝ってあげましょうね! 餡小話掲載作品(またちゃんと整理します。) その他(舞台設定のみ共有) ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態 ふたば系ゆっくりいじめ 854 ごく普通のゆっくりショップ ふたば系ゆっくりいじめ 873 ゆっくり向けの節分 ふたば系ゆっくりいじめ 924 みんな大好きゆレンタイン ふたば系ゆっくりいじめ 934 暇つぶし ふたば系ゆっくりいじめ 943 軽いイタズラ 本作品 『町れいむ一家の四季』シリーズ 前日談 ふたば系ゆっくりいじめ 522 とてもゆっくりしたおうち ふたば系ゆっくりいじめ 628 ゆきのなか ふたば系ゆっくりいじめ 753 原点に戻ってみる ふたば系ゆっくりいじめ 762 秋の実り 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけはそうでもない) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道(おまけ) 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 734 未成ゆん(おまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 678 飼われいむはおちびちゃんが欲しい(おまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけ) 夏-1-6. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけ) 夏-1-7. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 冬-1. ふたば系ゆっくりいじめ 490 ゆっくりしたハロウィンさん 冬-2. ふたば系ゆっくりいじめ 910 寒い日もゆっくりしようね 『町れいむ一家の四季』シリーズ 後日談 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(仮) ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 376 飼いゆっくりれいむ ふたば系ゆっくりいじめ 409 町ゆっくりの食料事情 ふたば系ゆっくりいじめ 436 苦悩に満ちたゆん生 ふたば系ゆっくりいじめ 662 野良ゆっくりがやってきた ふたば系ゆっくりいじめ 807 家出まりさの反省 D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ………おいおいw 「ゆっくりだって生きてるのに」 アホかw どうせお前もゲスを見れば死ねばいい、って思うだろw 残念な優しさで哀れみを持つなにわかw にわかがコメするな -- 2017-01-02 14 31 53 なんで擁護が湧いてるの?ゆっくり出来ないってわかれよー -- 2013-09-22 07 06 27 お・・・・・お誕生日おめでとうございます(棒) -- 2013-09-15 18 55 00 餡娘が一方的にやった凶行かよ、ただの愉快犯か -- 2013-09-09 13 50 35 ↓2蟻潰して喜ぶ大人はいない いたら相当のバカか池沼 -- 2013-08-01 02 39 51 恐ろしい子! -- 2013-01-04 13 45 36 ↓蟻に置き換えればわかることでしょ。 ただ喋るからそういう気持ちになるだけで。 -- 2012-10-30 12 13 38 ゆっくりだって生きてるのに・・・ ひでぇ、うん、クズだ。 想像してごらん。自分と自分の家族が殺されることを -- 2012-06-10 23 05 57 最後いいなwww -- 2012-04-04 22 35 54 最後まむまむを破壊し子供を出来なくする所が最高w簡単に殺すよりか地獄だなw -- 2011-01-24 11 15 40 内容はともかく生まれた早々無残なゆん生を終えた赤ゆにはゆっくりできた。 -- 2010-08-03 00 49 34 やなガキだ -- 2010-07-01 00 54 26 ↓心せまいなあ -- 2010-05-27 17 52 09 >ちょっとくらいいいじゃん。ケチ この一言でゆっくりできなくなった -- 2010-04-17 05 03 36
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『はるごもり』 10KB 観察 小ネタ 自業自得 群れ 捕食種 ドスまりさ 自然界 人間なし 某所でもらったお題「規制解除」で 「すっきりーきせいをかいじょするよ!」 月明かりが僅かに差し込むだけでほとんど視界の利かない森の中、一体のドスまりさが声を張り上げる。 声は森の奥まで深々と響き渡る。 「すっきりーきせいをかいじょするよ!」 辺りに、ドスまりさが長を務めている群れの仲間は一体もいない。 「すっきりーきせいをかいじょするよ!」 ドスまりさの声に応えるかのように、森の木々は梢をざわざわと鳴らした。 「すっきりーきせいをかいじょするよ!」 辺りに満ちる濃密な闇を押しのけるようにドスまりさは声を張り上げる。 ざわざわと森が応える。 すっきり規制を解除する準備は、こうして整った。 ―群れ― 「すっきりーきせいをかいじょするよ!」 黒いとんがり帽子をかぶり、金のお下げを揺らしながらドスまりさは宣言した。 もうずいぶん長い間群れを納めている長は大きい。 体長は五メートルを超し、その堂々たる大きなおぼうしはは群れのまりさたちの憧れだ。 れみりゃやふらんが襲ってきても撃退できる、歴戦のドスだった。 「おやからうけつがれたとおりに、しっかりこどもをそだててね!」 群れの集会場として使っている、開けた野原でのことだった。 足下には群れのゆっくり五十体ほどが勢揃いし、昼下がりの光の中ドスの方をぽかんと見上げている。 群れが待ちに待ったすっきり規制の解除だ。 今まで何度も議題に上がり、懇願を重ねてもドスはすっきり規制を解除しなかった。 群れの仲間は解除が信じられず、ある者は口を半開きにし、ある者は首をかしげるように少し傾いてドスの言葉を噛みしめた。 「んっほおおおお! ついにありすのじだいがきたのねえええ」 レースをあしらった赤いカチューシャで、短めの金髪を飾っているゆっくりが真っ先声を上げる。 「むきゅ、ありすはよくがまんしたわ。えらいわよ」 つがいなのだろう。たっぷりとした紫の髪をおさげにして、三日月の飾りをワンポイントにあしらった帽子のゆっくりが追従する。 「ぱちゅりー! いますぐおうちにもどるわよおおお! こんやまでねかさないわああ!」 「ありす、おちつくのよ」 「こんやもねかさないわああああ」 ぱちゅりーはありすによってひきずられるようにおうちの方向へ去っていった。 それを呆けたように見ていた群れの仲間も、ようやく解除を実感したのだろう。 「ゆわああああ! ゆめみたいだよ! ついにれいむのおちびちゃんができるんだね!」 赤地に白のレースをあしらったリボンを付け、黒髪を頭の横で二束くくっているゆっくりが声を上げる。 「ゆふふ! ついにまりささまの『すーぱーてくにっく』をみせるときなんだぜ」 つがいのまりさはれいむと何度も体を擦りつけ合う。 黒いとんがり帽子から垂れた三つ編みが、体の動きに合わせて踊った。 広場では誰も彼もが同じように満面の笑みでつがいと喜びを噛みしめ合っている。 ほとんどのつがいはひとしきり喜びを噛みしめ合うと、蜘蛛の子を散らすように広場から退散した。 今からおうちに戻って思う存分すっきりーをし、大量の子ゆっくりを産むのだろう。 待ちきれずにその場ですっきりーをし始めるつがいが数組いる以外で、広場に残っているゆっくりはいなくなる。 「きせいを、かいじょしたよ」 ドスは辺りを見回して、噛みしめるようにもう一度呟いた。 二週間が経過した。 群れは蜂の子をつついたような騒ぎになっている。 誰も彼もが望んだとおりに幸福な子供を授かり、群れは幸せな喧噪が満ちている。 時間の掛かる胎生にんっしんを望んだゆっくりはかなり少なかった。 みんな一瞬でも早く赤ゆの顔を見たくて、植物型にんっしんを選んだ。 頭から生えた茎に鈴なりとなった赤ゆっくりを見て、つがいは相好を崩し、ゆっくりに浸る。 衝動任せに胎生にんっしんしたつがいの中には、腹に子がいる間に更に植物型にんっしんをする者もあった。 今や植物型にんっしんをしたつがいはほとんどの赤ゆを産み落とし、辺りは赤ゆの声でずいぶんうるさい。 群れの数を少なく抑えていたため、森の食糧事情はかなり良かった。 それを当てにして複数の茎を生やし、赤ゆの数が二桁に届くつがいもある。 本当に少数の、先を見通せるつがいだけが胎生にんっしんで三体ほどの子ゆを授かった。 けれどそんなつがいは、十に満たないほどだ。 ほとんどのつがいは思う存分すっきりーした赤ゆ達のため、備蓄の食糧を順調にすり減らしている。 両親共に少しでも長く巣にとどまってゆっくりとした子供を見ているのだから当然だった。 豊かな森の恵を敷いてあぐらをかき、安穏と暮らすほとんどのつがい達は、そのことに気づきもしなかった。 三週間が経過した。 胎生にんっしんをしたつがいからも子ゆっくりが産まれ、群れは最高に騒がしくなっている。 早くも自分の家にある備蓄を食い潰し、子供を養い切れないつがいが出始めている。 このままでは群れの中で治安の悪化が懸念されるだろう。 ドスは親ゆっくり達を再び広場に集めると、口を開いた。 「むれのみんな! たくさんのおちびちゃんをうんで、しょくりょうがたりないよね?」 広場に集まった群れのゆっくり達は、我が意を得たりとばかり騒ぎ立てる。 「んっっほおおお! そうなのよー!」 「むきゅ、さすがはどすね、よくわかってるわ」 「れいむのかわいいおちびちゃんにごはんをとってきてね! たくさんでいいよ!」 「ついでにまりさたちのごはんもなのぜ! おちびちゃんからはなれるわけにはいかないのぜ!」 少数の堅実に子を育てているつがいは、自身にとばっちりが来るのではないかと気が気ではない。 子供がいない時分から、現在ドスに向かって勝手なことを言っているゆっくり達とは話が合わなかった。 どうにも勝手すぎる言い分に辟易することが何度かあったからだ。 そういった少数の賢い個体は息を潜めて広場の趨勢を見守る。 「みんなに、うれしいおしらせがあるよ!」 ゆっくり達が固唾を呑んで見守る中、ドスは言う。 「どすのいえにおひっこし! すればいいよ! どすのいえには、たべものさんがたくさんあるよ!」 群れのゆっくり達は顔を見合わせると、満面の笑みを浮かべた。 「さっすがどすねえええ。とかいはだわあああ」 「むきゅ、どすは、けんじゃとよぶにふさわしいわ」 「れいむのかわいさなら、そのくらいとうぜんだね!」 「ゆふふ、どすはすばらしいのぜ。よくわかってるんだぜ」 そんな賞賛の声を、ドスは面白くもなさそうに見下ろしていた。 「さあ、みんな! すぐにどすのどうくつへおひっこし! するといいんだぜ!」 「とかいは!」 「むっきゅー!」 「ゆーゆーゆっくりー」 「わかるよー」 「いそぐんだぜ」 口々に喜びの言葉を発して、群れのゆっくり達は広場から去っていく。 後には、将来を考えて胎生にんっしんをした少数の親ゆっくり達が残った。 その賢い個体の中でも世話役のような立場のぱちゅりーが、言い辛そうに口を開く。 「むきゅ……どす、いったいなにをかんがえているの。ゆっくりできないわよ?」 「ぱちゅりーは、ひっこし! しないの?」 「しないわ。こどもたちには、かりをおぼえさせるひつようがあるもの」 「そのようすだと、そうこのたべものも、のこっているね?」 「むきゅ、とうぜんだわ。おとうさんと、おかあさんのいいつけどおりよ」 「そのいいつけは、こうじゃなかった?」 ドスは一旦口を閉じると、僅かの間だけ目を閉じる。 それは過去に思いを馳せるような仕草だった。 「おさのめいれいがあるまで、そうこのたべものは、たべるな」 ドスはゆっくりと、言いつけを復唱した。 ぱちゅりーはそれを聞いて驚いたように目を見開く。 「どす……そのとおりよ。どうして……」 「ぱちゅりーのりょうしんは、とってもいいゆっくりだったよ。 ドスのいいつけをまもったった んだからね」 「いいつけは、どすがあたえたものだったの?」 「そうだよ」 それは、今の群れのゆっくり達全員の親に伝えたことだった。 親から子へと受け継がれるものは等しくない。 全く同じように教えたはずなのに、情報は伝達のたびに劣化していく。 十の知識を与えて五か六しか受け継がない者もいれば、生活の中で十二にする者もいる。 今ここに残っている者は程度の差こそあれ、十の知識を受け継いだ者達だ。 受け継いだ知識を十二にするべく、日々を過ごしている者達だ。 「そして、いまこそどすは めいれい するよ。 いまからみんなには はるごもり をしてもらうよ!」 「むきゅ? ふゆごもりのように、いえのなかでじっとしているの?」 「そうだよ。どすは、あらしをよぶよ」 「あらし?」 「あらしはもう、すぐそばにいるよ。じゅんびは、ととのったんだから」 「むきゅう……くわしいことは、あとでおしえてもらえる?」 「おしえなくても、ぱちゅりーならきづけるよ。さあ、みんなおうちにもどって。 ふゆごもりみたいに、きっちり、いりぐちをしめておいてね」 ぱちゅりーはおとなしく従った。 ぱちゅりーが従えば、世話役となっているコミュニティも従った。 少数の胎生にんっしんした子ゆっくりと、その賢い両親はドスも、ぱちゅりーも信頼していたからだ。 賢いゆっくり達は、その日の午後を全て使って はるごもり の準備を終えた。 夜の森に、ドスの声が響き渡る。 「はるごもりだよ!」 森がざわめく。 「はるごもりだよ!」 闇が膨らむ。 「はるごもりだよ!」 木々の梢から影が飛び立つ。 「うー! はるごもりなんだどー!」 辺り一面から、れみりゃが飛び立つ。 「さあ、れみりゃ。ことしも はるごもり が始まったよ」 ドスの声に応えて、一体のゆっくりれみりゃが舞い降りてくる。 れみりゃはドスのお帽子の上にぽすんと着地すると、声を出す。 「うー! ことしも、ごちそうになるんだどー」 「れみりゃ、ひょうげんに、ひんがないよ。むれのおさらしく、おぜうさまらしくしてね」 「うー? よくわからないんだどー」 「どすがごちそうするわけないじゃない。むれのみんなは、うらぎれないよ」 「うー?」 「どすは、はるごもりしたから むれをおそってもむだだよ っていっただけだよ」 「うー、わざわざごくろうさまだどー」 「れみりゃのむれをあいてにすると、ちょっとだけ、いたいからね」 「しってるど! れみりゃは、ぱぱとままにやめとけっていったんだど。けっきょくばかおやはしんだんだど!」 過去にドスはれみりゃの群れに襲いかかられたことがあった。 けれど、充分に皮が厚くなったドスにとってれみりゃの攻撃は痒いものだった。 自分に向かってくるれみりゃを概ねたたき落として踏みつぶした後に、当時は子れみりゃだったこいつと出会ったのだ。 「だからどすは、ことばがつうじるなら、ことばでかいけつしたいんだよ」 「それはわかってるんだど?」 「けど、ことばがつうじなかったら、しょうがないよね。れみりゃも、むれも」 「うー! わかったんだど! どのむれにも、いうこときかないやつは、いるんだど!」 「そうだね。いってもきかないなら、しかたないよね」 「うー! うー! しかたないんだど! うっかりみつけちゃうんだど!」 れみりゃは嬉しそうにドスの帽子のつばから飛び上がったり、着地したりを繰り返す。 「どすはもうすこし、はるごもりしたことをれみりゃのむれにつたえるよ」 「たのんだど。はむかうなっていってあるんだど。けど、もしも、むかってきたら……」 ドスがその言葉を継ぐ。 「どのむれにも、いうことをきかないやつは、いるんだよ」 「うー! そのとおりだど!」 れみりゃはその言葉を最後に再び高く飛び上がる。 飛び上がりながらうー! うー! と何度も声を発した。 生き物の気配を爛々とたたえた森が一つの意志を持って動き始める。 ドスの群れの方へ。 今頃は思う存分ドスの洞窟にあった食料を食い散らかし、眠りこけているだろう群れの方へ。 れみりゃはいつも通り、眠りこけた群れのお荷物を巣へと連れ帰るだろう。 そして、じっくりいたぶりながら長い時間を掛けて食べるだろう。その間、群れの平穏は保たれる。 さて、ドスにはドスの仕事が残っている。 長れみりゃが飛び去った後にも、群れの統制を乱す我の強いれみりゃが上空を飛び回っている。 あいつらは、邪魔だ。 はるごもりを終えた群れにとって、長れみりゃのカリスマに従わないれみりゃは危険だ。 そいつらをある程度落とした頃には、長れみりゃも今日持てるだけの荷物を持って一旦引き上げるだろう。 今年も無事に、はるごもりが始まったのだ。
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どうすればいいのだろう 作、 茄子 まりさは苦悩していた。それは 『赤ん坊』だ、親を馬鹿にしているのだろうか 自分のいうことをまっったく聞かない どうすればいいんだろう、れいむも話を聞かないし… 「いい!?おとうさんのまねをしてするんだよ!みてて!」 そう言って親まりさは肛門を地面に触れるか触れないぐらいに 近づけて、『うんうん』をした、これが正しい『うんうん』の仕方 「おとーしゃん…なにうんうんしてるの?ばきゃにゃにょ? こどみょにきょうもんみしぇてはずかしきゅにゃいにょ? しゅーちぷれいにゃにょ?」 「みょういいよみゃりしゃ、うんうんとうちゃんはほっといて ごはんしゃんをたべようよ」 「…ッ!!」 これだ、こうやって親の話を聞かないのが悩みなのだ しかも妻のれいむは… 「さっさとかりへいってこいッ!!!」 どうすればいいんだろう… 「ごはんしゃんもたべたしうんうんしゃんをしゅりゅよ!!」 「しゅりゅよ!!」 果たしてちゃんとできるのか親まりさはどきどきして見守りました 「うんうんしゅりゅよーーーっ!」 赤まりさはひっくりかえりながらうんうんをしました 案の定顔にうんうんが付きました 「ゆっぴゃあああ!!くしゃいいいい!!!」 隣では赤れいむがうんうんにはまっていました、 どうして… 「うんうんくしゃいいいい!!!!」 「ゆぴゃあああああああああ!!!」 「しょうがないね、ちゃんとまりさのを見てなかったから こうなったんだよ!!」 そう言って親まりさは赤ゆ供をぺーろぺろしました 所が、 「なにきょどものうんうんしゃんにゃめてりゅの?」 「しょんにゃにりぇいむのうんうんしゃんにゃめたいの?」 「ッ!!」 さすがに親まりさも堪忍袋の緒が切れたようです 刹那、親まりさが赤ゆを突き飛ばしました、 「「ゆっぴゃああああああ!!!」」 「にゃにしゅりゅにょおおおおお!!!」 「しどうだよ!おやとしての!!!」 「ふざけるなあああああああああアッ!!!」 なんと親れいむが親まりさに向かって タックルをしたのです 「ゆべえええええええええ!!!!」 「なにがしどうだよ!!このこたちは こどもなんだよっ!!おやなんだから なんだっておしえなきゃいけないんだよっ!! じっくりじっくりとね!!! まったくこれだからまりさはだめなんだよ! かりしかのうがないくせに!!! だめおや!ぎゃくたいちゅう!! このくそあんっこさんがああああああああああ!!!」 すると、まりさの頭の中で何かが 『はじけました』 なやむ?どうすればいい? そんなのかいけつするのはかんたんだ それはっ… 「ゆっぎゃああああああッ!!!!」 「れいむがいけないんだよ!!!」 まりさは帽子に隠していた『棒』を れいむに突き刺しました 「いだいッ!!はなぜっ!!!」 「ゆははははははハッ!!!」 まりさは口を一の字に振りました するとどうでしょう、 綺麗にれいむの体が一の字切れたではありませんか 「ゆぎゃああああああああッ!! くそでぃーぶいがああああ!!!」 「くるしまくるしめくるしメッ!!!!」 まりさは踊っていました、れいむも踊っていました それは『死の踊り』あんこが飛び散る、踊りッ!!! 「ゆはー…ゆはー…」 「…………」 ペースト状になったまりさはものすごい快感におぼれました それはカタルシス、あぁ、また味わいたい、 まりさは後ろを向きました、そこには おびえている2匹の子供、 「おちびちゃん…」 「「っぴぃッ!?」」 赤まりさのはらからちーちーがでてきた 「おもらししちゃだめだよぉ 『掃除』しなきゃねッ!!」 親まりさは赤まりさの髪をくわえて ちーちーした場所に叩きつけました 「こうやってッ…そうじッ…するんだよッ!!!」 親まりさは赤まりさを地面に8の字の形に 擦り付けてました、 「ゆぴゃあッ!!やべッ!!やべでッ!!」 「だめだよ!じぶんがしたことは じぶんでかたづけなきゃねっ!!!!」 ぶちゅ… 「あはははっはああああああああ!!!」 又、この世のものとは思えない快感に 酔うまりさ、 解釈 きゅりゅってるよ!? (くるってるよ!?) にゃんであのばきゃおやはみんにゃを (なんであのばかおやはみんなを) きょりょしたにょ!?つぎはりぇいむのばん? (ころしたの!?つぎはれいむのばん?) きょろしゃりぇるの?あのばきゃに!? (ころされるの?あのばかに!?) その時、赤れいむは思い出した 親まりさの後ろからタックルして ぼろぼろにしたことを… しょうだ…りぇいむはあいつに (そうだ…れいむはあいつに) あんなきずをおわしぇたんだ!! (あんなきずをおわせたんだ!!) ほんきでやりぇばきゃてる!!! (ほんきでやればかてる!!!) 正直都合のいい妄想ですけどね まだ、まりさは快感の余韻に 浸っている、 赤れいむはまりさの後ろに回り… タックルッ!!!!! 「ゆふん!!りぇいむのすとろんぐたっくる!! いたしゅぎてちにぇ!!!!」 「…にげればいいものを…ほんとばかだね」 「ゆ?」 ビリリッ!!! 赤れいむの自慢の髪飾りが破れた いや、破かれた、まりさは、知能を得たのだ、 『ゆっくりを殺す知能!苦しませて殺す知能!』 「ゆわあああああ!!りぇいむのじみゃんの きゃみかじゃりいいいいいい!!!!!」 「ゆふふふ…もっと苦しませて、殺してあげるよ!」 知能も得たのだ ぶちゅ しゅみましぇん ぐちゅ やめて ゆるちて どちゅ ゆっぴゃあああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 「まだ、味わいたいこの感覚に」 まりさは群れへいどうしていったのだ
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『ゆっくり地獄山』 27KB 虐待 制裁 群れ ゲス ドスまりさ 自然界 虐待人間 15作目 anko3408 まりさのおしごと の設定を一部反映させております 男はいつものように、必要な物資を持って山へと足を踏み入れた。 重い荷物ではあるが、男の表情は喜色満面に輝いている。 季節は初夏。 緑鮮やかな山は、清々しい空気が充満していた。 梅雨さえ乗り切れば、何とかなるだろうな。などと男は考えながら歩く。 二十分も歩くと、そこへ辿り着いた。 男の足音を聞きつけたのだろう、そのゆっくりの群れたちは一斉に騒ぎ立て始めた。 人間が来たことへの恐怖ではない。 人間が来たことへの憎悪でもない。 「にんげんざん! にんげんざあああああああああああああん!」 「ごろじでぐだざい! れいぶだぢをごろじでぐだざい!」 「まりざだげでもおねがいじまず! ぐずのまりじゃをごろじでぐだざい!」 「おねがいじまずううううううううううううう!」 良い声だ。必死になって希望に縋るその様は、男をゆっくりとさせる。 一際大きな影……ドスまりさが、精一杯に体をうねうねさせて叫ぶ。 「にんげんざん! どずはぐずでず! どうじようもないぐずでず! だがら! だがら! どずをごろじでぐだざい! ぼうだえられまぜん! おねがい! おねがい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛でずがらあ゛あ゛!」 男は無言で、平たい岩の上に腰掛けると美味そうに冷たいお茶を飲み始めた。 冷やしたキュウリをポキンと折ってマヨネーズをつけて丸かじり、更におにぎりを もぐもぐとのみ込んでいく。 恨めしそうに、ゆっくりたちがそれを見つめている。 「うああ……おなが……おながずいだよお……」 「むーじゃむーじゃざぜでえ……ざぜでよお゛……」 「ぞんなのどう゛だっでいい……ごろじで……ごろじでえ゛……」 昼飯を食べ終わった男は、一匹一匹ゆっくりをチェックしていく。 一匹のありすが、苦悶と安堵の入り混じった表情で死んでいた。 男はそれを掴み、ドスまりさの元へと運んでいく。 ドスが絶望に満ちた表情を浮かべた。 「いやだ……いやでず……ぼねがい゛……もう゛……い゛や゛……」 男は無言でドスまりさの歯が一本もない口を開いて、強引に喉へと詰め込んでいく。 「おべええええ! ぼべ! おぐ……ぶぶぶ……! ぶび!」 餡子を吐き出そうとすると、男がそれをがっしりと押さえつけた。 漂う死臭、土とカスタードの入り混じった味、全てがゆっくりできない不快さだった。 他に死んだゆっくりはいないらしい。 安心して、男は一人一人に命の糧であるオレンジジュースを大量にスプレーして回る。 飲ませるのではない、あくまで降り注ぐだけだ。 この場合、ゆっくりは栄養を確保することはできるが空腹はほとんど満たされることがない。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっくち、ゆっくち、ゆっくち……ひひひひひ……ゆっくち、 ゆっくち、ゆっくぢ……!」 非ゆっくり症を発症したまりさに、ゆーくりーむを味わわせることなく無理矢理のみ込ませる。 発狂防止剤が中枢餡の機能を正常に戻させた。 「ゆ、ゆ……ゆぐ……ゆっく、り……」 男が満面の笑みで、そのまりさを見つめていた。 まりさは愕然とした表情で、ああああああ、と意味のない言葉を叫び続けた。 「ぼうずごじで! ぼうずごじでえいえんにゆっぐぢでぎだのに゛!」 他に非ゆっくり症を患いそうなゆっくりはいないようだ。 男は全員の頭をぽんぽんと軽く叩き、軽くなったリュックサックを背負った。 「まっで! まっでぐだざい! おねがいじまず! ごろじで! ごろじでぐだざい! ぼうゆっぐぢぢなぐでいいでず! なんでぼ! なんでぼじまずがらあ゛あ゛!」 ドスまりさの懇願に、男は一度も振り返ることなく――その場を立ち去った。 ゆっくりたちは追いかけない。 追いかけることができないのだ。 あんよを焼かれた訳ではない。 そもそもこの群れのゆっくりたちは皆――――――地面にあんよがついていないのだ。 『ゆっくり地獄山』 マンネリあき ドスまりさは、すっきりを解禁したことが正しかったのだと確信した。 先代ドスまりさの教えは間違っていたのだ。 だって、群れのゆっくりが作ったおちびちゃんたちは……こんなにゆっくりしているのだから! 「ゆっち、ゆっち、ゆっちぃ……」 「ゆゆ~ん! おちびちゃんはほんっとうにほんっとうにかわいいよおお!」 「ドス、ドスみてよ! おちびちゃんが、おちびちゃんがぴょんぴょんできるように なったんだよおおお!」 「ゆふふ。よかったね、れいむ!」 「ドス、ありすのおちびちゃんたちをみて!」 「ちょかいは!」 「どちゅ、ちょかいは!」 「ちょかいは~」 「ゆふん。ありすのおちびちゃんもほんとうにゆっくりしてるねっ!」 「ゆっくち、ちょかいは!」 群れのゆっくりたちが、次々とおちびちゃんを見せにやってくる。 その度に、ドスまりさのゆっくりは際限なく高まっていく。 「ゆふふ。ぱちゅりーがまちがっていたよ! やっぱりドスのやったことはただしかったんだね!」 すっきり制限を廃止すると幹部会議で告げたとき、真っ向から反対したぱちゅりーは、 彼女を慕う一部のゆっくりたちと共に、別の山へと旅立っていった。 彼女は相変わらず先代の教えを守り、すっきり制限をしているのだろう。 きっと、ゆっくりできていないんだろうな。 そんなことをドスまりさは考えた――が、ゆっくりしていないゆっくりのことを考えるのは ゆっくりできないと、目の前のおちびちゃんたちに意識を集中させた。 そもそも、先代は何故すっきりを制限したのだろう。 人間さんが怖いから、と言っていたような気がする。 ドスまりさも、人間についてはぼんやりとしか記憶がないが、大した大きさでもない癖に やけにゆっくりできてない存在だったことだけは覚えている。 ゆっくりできていない。 この世の全てはゆっくりのために存在すると考えるドスまりさには、それだけで生きる権利は ないと思うのだ。 群れの皆は、ゆっくりしている。 彼らの群れを脅かす敵は今のところ、存在しない。 群れを出て行ったぱちゅりーの代わりにサブリーダーに就任した『ぼせい』ゆたかなれいむが、 不安そうな表情でドスまりさに報告した。 「ドス、さいきん『かり』でとれるごはんさんがすくないよ! しょくりょうこのごはんさんも、 びちくぶんがなくなっているよ!」 「ゆゆ!? ど、どうして!?」 「れいむにはわからないよ! でも、ごはんさんがすくないとゆっくりできないよ!」 ヒント:おちびちゃんはたくさんごはんをたべる 「ゆぅ……そうだ! いいことおもいついたよ! にんげんにけんじょうしてもらえばいいんだよ!」 昔、先代ドスまりさに聞いた話である。 群れの食料が枯渇し、このままでは全滅もやむなしという状況に陥ったとき、人間が野菜を 差し出してくれたのだと。 先代ドスまりさは「だからにんげんさんには、かんしゃしなければいけないんだよ!」と 言っていたが、ゆっくりしていない人間がゆっくりに奉仕するのは当たり前である。 ドスはその後半部分は都合良く解釈して、「人間がゆっくりに野菜を与えた」という事実のみに 集中していた。 「ドス! にんげんって、あのゆっくりしてないいきものでしょ? そんなれんちゅうが、 ごはんさんをけんじょうしてくれるの?」 「だいじょうぶだよ! だって……ドスは、ドスなんだから!」 答えになってないのだが、歴代サブリーダーの中でトップクラスの餡子脳であるれいむには、 その言葉はさながら天啓のように響いたらしい。 れいむはキラキラした瞳でぴょんぴょんと飛び跳ねた。 「そうだね! ドスはドスなんだもん!」 「じゃあ、さっそくドスはいってくるよ! そのあいだは、れいむ! むれをまかせたよ!」 「わかったよ、ドス! ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 ドスはその重い図体をぴょんぴょんと跳ねて、山を降りていった。 れいむは群れのゆっくりたちに、ドスが人間にご飯を献上させにいったことと、食料はこれで 大丈夫であることを通達した。 群れのゆっくりたちは大喜びで、「もうびちくしなくてもいいよね!」とばかりに、溜め込んで いた食料を貪り食った。 そして、二日が過ぎた。 「ゆう……ドス、おそいよお。きっと、にんげんがわがままをいっているんだね」 サブリーダーであるれいむもまた、人間に関しては遠い彼方の記憶しかない。 ただ、とてつもなく――ゆっくりできない存在だったことだけは覚えていた。 もう少しだけ頭が良くて、もう少しだけ記憶を餡子に留める努力をしていれば、きっと彼女は 理解しただろう。そして、ドスの暴挙を止めさせようとしたかもしれない。 だが、れいむはゆっくりがゆっくりすることこそが義務と信じるゆっくりである。 ……野生の群れでも、賢い群れや人間・動物たちと関わりを持つゆっくりの場合、 「世界はゆっくりできないことだっていっぱいある」という認識を持つことができる。 だからこそ、「にんげんさんもゆっくりしていってね!」と口にすることができるのだ。 皆でゆっくりすれば、きっとゆっくりできるようになる。そう信じて。 愚かな群れ、そして脅威が存在しなくなった群れは、この言葉の解釈が違う。 「ゆっくりしていってね」とは「自分たちゆっくりのために、ゆっくりさせてね」という 確認の意味合いを持つようになる。 動物も、人間も、「ゆっくり」という価値観が前提にあって行動すると考える。 そして、自分たち種族が「ゆっくり」という名前を持つ――つまりそれは、「ゆっくりしている 存在だからゆっくりなのだ」と思い込むようになる。 いつの世も、ある程度の知能を持って社会を構築した生物はそのような考えを持つらしい。 「○○人こそが、人類を導くに足る存在である。自分たちの人種以外の人間は、劣等人種である」 というように。 だが、ゆっくりと人間とで決定的に違うものが一つある。 答えは簡単、『暴』という名の力だ。 「れいむ! れいむー!」 慌てて飛び跳ねてきたありすを、れいむは厳しい表情でもみあげを叩いた。 「れいむじゃない! れいむはさぶりーだーなんだよ! さぶりーだーってちゃんとよべって いつもいってるでしょお!」 「ご、ごめんねさぶりーだー」 「まったく……で、どうしたの?」 「にんげんが、こっちにくるんだよ! どうしよう!」 「ゆゆ。おそかったね、きっとにんげんがごはんをけんっじょうしにきたんだよ!」 「ゆわあ……ほんとに!?」 「さぶりーだーがうそをつくはずないでしょお! れいむのところにつれてきなさい!」 「ゆっくりりかいしたよ、れい……『ギロリ』……さぶりーだー!」 やや頭の弱いありすは、ぴょんぴょんと飛び跳ねていった。 「まったく、さすがにんげんだけあってゆっくりしていないね! こんなにまたせるなんて!」 普通ゆっくりしている方が待たせると思うのだろうが、この場合基準はあくまでれいむにある。 れいむがゆっくりせずに待っていたのだから、相手がゆっくりしていないのだ。 やがてありすが、人間を案内してきた。 人間の数は一、二……たくさんだ。 れいむはドスがいるだろうと思っていたが、なぜか姿が見えなかった。 もう少し観察力があれば、二人の人間がえっさほいさと白いスーツに包まれた何かを担架で 運んでいることが分かったのだろうが……。 やがて、先頭に立って歩いていた白衣の人間がれいむの前に立った。 「ゆっくりしていってね、にんげん! ごはんさんをもってきてくれたんだね!」 「ごひゃん、ごひゃん!」 「ごはんさんをゆっくりちょうだいね! すぐでいいよ!」 「ゆっくち、ゆっくちぎょはん!」 「ゆわぁ……あまあましゃん、くれりゅの?」 れいむの言葉を聞きつけたのだろう、わらわらとゆっくりたちが人間の下へと集まってくる。 「クソ。やっぱり赤ゆが増えてやがる……」 白衣の男の隣にいた人間が、ぽつりと呟いた。 れいむが耳ざとく聞きつけ、心底呆れかえった表情で告げた。 「そこのにんげん! おちびちゃんがふえたからどうだっていうの! かわいいかわいいてんしのようなおちびちゃんがたっくさんいたら、とってもとってもゆっくり できるんだよ!? にんげんはそんなこともしらないんだね! むちはこわいよ!」 「げらげらげら! おちびちゃんがふえたらにんげんはゆっくりできなくなるんだぜ!? まさしくけっかんせいぶつっ、なのぜ!」 「とってもとかいはなおちびちゃんたちをみてゆっくりできないなんて、まさしくいなかものね!」 「むきゅ! ぱちゅはしってるわ! こういうせいぶつをかとうしゅ、とよぶのよ!」 「かちょうちゅ?」 「そうよ、おちびちゃん! いもむしみたいに、ゆっくりできないせいぶつのことよ!」 「ゆっち! にんげん、かとうちゅ!」 「かとうちゅ! かとうちゅ! にんげんはかとうちゅ!」 その場にいた人間の殺気が膨れ上がる中、白衣の男だけはニヤニヤと笑いながら応じる。 「さて、サブリーダーのれいむさん。先代のドスが決めた掟に、すっきりの制限がありましたね?」 「ゆ……?」 すっきりの制限。 確か――確か、そんなこともあった気がする、とれいむは思った。 「これを破って、沢山のおちびちゃんを作ったのはゆっくりできることなんですか? 先代のドスの教えを破って、ですよ?」 「ゆ……」 実は、ゆっくりとはそれなりに保守的である。 特にドスまりさが決めた掟は、余程のことがない限りは破られはしない。 ドスまりさに従っているだけで「ゆっくりできた」ことが記憶に残っているからだ。 ドスがいなくなった後、群れが比較的よく保たれているのはそのことが大きく関係している。 だから、掟を破るということはゆっくりできないことなのだ。 これをゆっくりの論理で乗り越えるためには、一つの儀式が必要だ。 それはこの山の持ち主――白衣の人間の隣に居た男にとって、境界線であった。 その線を踏み越えれば、『博士』の言う通りにしようと、男は決めていた。 れいむは餡子脳で考えに考え、結論を出した。 「ゆっくりわかったよ! せんだいのドスはね、げすだったんだよ!!」 れいむがドヤ顔で告げた瞬間、男は嘆息した。 博士が笑顔のまま、問い掛ける。 「ほう。先代のドスがゲスだったため、掟を作ったのですか」 「そうだよ! だっておちびちゃんはこんっなにゆっくりできるからね! ゆっくりできるおちびちゃんをにんっしんさせなかったドスは、とってもゲス だったんだよ! ゆふふ、れいむかしこくってごめんね!」 「そうか……せんだいはゲスだったんだぜ……」 調子よく合わせることしかしないまりさが、そう呟くと群れは一斉に先代ドスへの 不満を噴出させた。 そう。「とってもゆっくりできるおちびちゃん」を作らせなかった先代ドスは、 ゲスであり、そんなゲスの下にいた自分たちも当然ゆっくりできていなかっただろう。 そんな解釈が、餡子脳でなされてしまったのだ。 「むきゅきゅ! ぱちゅりーはまえから、せんだいドスはゆっくりさせてくれないと おもってたわ!」 「そうね! あのドスはとかいはじゃなかったわ! なんであんなドスがりーだーだったの かしら!」 「せんだい、げしゅ!」 「せんだいドスは、げしゅだったんだね!」 「ゆゆん! さすがおちびちゃんはかしこいね! そう、せんだいドスはドゲスだったんだよ! おちびちゃん、りかいしてね!」 「「ゆっくちりかいちたよ!」」 博士の笑みは、ますます深くなる。 男の拳は強く強く握り締められる。 だが、先代ドスを非難することに合理的な解釈を得たれいむは、気付くことがない。 「サブリーダーのれいむくん。最後の質問です、では今のドスはゆっくりしていますか?」 「ゆふふ、あたりまえでしょお!? くずのせんだいとちがって、いまのドスはとってもゆっくり してるんだよおお!?」 「ほう……例えば、怪我をしていたら?」 「ちょっといたいいたいさんになったくらいで、ドスがゆっくりしてないはずないでしょお!?」 「おさげが千切れていたり、髪の毛がむしり取られていたら?」 「…………………………………………………………ゆ?」 そのとき、初めてサブリーダーのれいむは博士の笑顔を見た。 笑顔を浮かべているはずなのに、中枢餡がゆっくりできないと警告を発していた。 「片目が抉り出されていたら? あざが残るくらいに、人間たちに殴られ、蹴られていたら? 肌を震動させて突き出てきたペニスを、カンナでガリガリ薄く薄く削られていったら? 歯を一本抜いて、その度に爪楊枝で歯茎に当たる部分を突き刺されてグリグリされていたら? ハンダゴテであにゃるとまむまむをじっくりじっくりはんだ付けされていたらどうします? それでも、ゆっくりしていると言えるんですか?」 「に、にんげん? なに……いって、るの……」 博士は笑顔のまま、パチンと指を鳴らした。 背後にいた男二人が頷き、シーツを捲って担架から『それ』を放り捨てた。 「ゆ゛……ゆるじで……ゆるじでぐだざい……いだいの……いやでず……」 全員が、転がって落ちた物体が現リーダーのドスまりさであることを理解するのに、 三分を要した。 「「「ゆあああああああああああああああああああああああああ!? な゛ん゛な゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」」」 「今言った通りのことをしてあげたドスですよ。あ、一つ言い忘れてました」 男が二人、ドスまりさを強引に立たせた。 が、そのあんよは地面に着くことがない。 あんよの部分から、頭の部分まで、太い木が突き刺さっているのだ。 「こうやって、樫の木で作った杭で体を貫通させてみました」 「どぼじで! どぼじでごんなごどおお!」 「……当たり前だろうが、このボケども」 「なにがあだりばえ………………ごびょおおお!?」 博士の隣にいた男が進み出て、れいむを勢いよく蹴り飛ばした。 岩壁に叩きつけられたれいむの口から、砕けた歯がポロポロと飛び散った。 「いだい! いだい! れいぶの! れいぶのはが!」 キラキラした真珠のような、あるいは青空の白い雲のように美しい自慢の歯が、 見事に砕け散っていた。 ちなみに、人間からすると「北陸の冬空並みに真っ黒な歯」という感じに見えたが。 全身を走り回る激痛のせいで、悶えて尻をぷりんぷりんとセクシーに動かす(少なくとも れいむだけはそう思っている)ことしかできない。 「ふざけろこの馬鹿。あのドスはなぁ……」 博士がまあまあ、と男を押しとどめる。 「とりあえず、まずはやることをやってからにしましょう」 そう言って、博士たちは運んできた荷物から……細いものから太いものまで、沢山の 杭を取り出した。 「ゆ……ゆゆ……?」 もしこのとき、ゆっくりしないで全力で逃げるということができれば、数が少ない人間は追い切れずにゆっくりできたかもしれない。 だが、ドスまりさはひたすら人間に謝罪し、サブリーダーは体の痛みに打ち震えている今、彼らに 指示する者は誰もいなかったのだ。 初動の遅さが、群れの運命を決めてしまった。 「それでは早速――てい」 博士が、ラムネスプレーを手当たり次第にかけまくった。 たちまちゆっくりたちの目がトロンとしたものに変わり、 「ゆっくりおやすみするよ!」 などと言って、ぐーぐーと眠り始めた。 「……おい、糞れいむ」 先ほど彼女を蹴った男が、自身の痛みを嘆くだけのれいむのもみあげを引っ張り上げた。 「ゆがあ!? やべろ! にんげんごどぎが!」 「うるせえ」 パン、と空いた手でれいむの頬を叩く。 「ひっ! いだい! どぼじでごんなごど……!」 「お前は最後だ。お前の群れの連中がどうなるか、最初から最後まで全部見届けろ」 群れの連中がどうなるか? れいむはもみあげの痛みに泣きながら、恐る恐る群れの仲間たちを見て――絶叫した。 「な、な、なにごれえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!?」 れいむも、まりさも、ありすも、ぱちゅりーも、子ゆっくりも、赤ゆっくりも、皆が次々と 杭に突き刺されていた。 「ゆぅ……ゆぴー………………ぐびぇ!?」 呑気に眠っていたれいむが、そっと持ち上げられると杭にあんよから突き刺さった。 ゆっくり、慎重に――中枢餡を避けつつ、脳天まで杭を貫かせていく。 「いじゃい゛! やべで! やべでぐだざい!」 「やめ……やめでろ゛お゛! ぐぞにんげんっ!」 「お前さあ、さっき先代ドスのことゲスって言ったよな?」 「ぞれがどうじだあ゛あ゛!」 「こうなるから、先代のドスはすっきり制限をしていたんだぜ?」 「……………………ゆ゛あ゛あ゛!?」 「俺はな、この山の持ち主だ」 「なにいっでるの! ごのやまはゆっぐりの゛ゆっぐりぷれいず……ひべ!」 自分たちのゆっくりプレイスであると説得しようとした途端に、殴られた。 「黙って聞け。俺はな、この山にお前等を住まわせてやってるだけだ。 ゆっくりだって、生き物だ。俺は躍起になって排除しようとは思わなかった。 先代ドスは、賢かったしな。 すっきり制限にも同意したし、たまに俺のとこに助力を乞いにやってくるときもあった。 知ってるか? お前たちが怪我をすると、ドスが治してくれていただろ?」 それは、ゆっくりできることだから覚えていた。 ドスが持ってきた、あまあまの薬。「にんげんさんがくれたんだよ! みんな、 にんげんさんにかんしゃしてね!」と言っていた気もする。 「あれは、ドスが俺に頼んだんだよ。オレンジジュースを少しでいいから下さいってな。 毎回毎回誠心誠意頼み込むし、お礼も欠かさなかった。山菜や食用のキノコを 持ってきてくれたんだよ、あのドスはな」 「ドス……が……」 「あいつとはよく、茶を飲みつつまったり……ゆっくりしたさ。お前等みたいな頭が悪い連中を、 ゆっくりさせることに全力を費やす様は、出来の悪い子供を持った親みたいだった。 でもな、アイツはいつも笑っていたぜ? 群れのみんなと、そして人間さんともゆっくり できて、ドスは幸せだってな」 ぎり、ともみあげを更に強く引っ張る。 「ちぎ! ちぎれりゅ! やめで!」 「で、アイツが死んだときもお前等がちゃんと泣いていたから。だから、このまま そっとしてやろうと思ったさ。ところが、だ……お前さっき、なんつった? 先代のドスのことを、何て言ったんだよ、おい」 「ゆ……ど、どすは……」 「ゲスって言ったよなあ? アイツのことを、ゲス呼ばわりしたよなあ? 先代のやったことをすっかり忘れた、とかなら俺もまあ納得したさ。 お前らの記憶保持力は弱いからな。だが……お前たちは覚えていた上で、ゲス呼ばわりしたな、 あいつの苦労を忘れて、都合良い解釈だけをしたな。れいむ、それだけは、ゆっくりとして やっちゃいけないことだった」 男は、すっきり制限を解禁したことを先代ドスの教えが忘れられたのではないか、 と思ったのだ。 それならば、群れのゆっくりたちを適当に痛めつけて掟を教え込むだけで済んだ。 だが、こいつらはあのドスの教えを知っていた上で馬鹿にした。 ゲスと断定して、誤魔化そうとした。 それだけは、絶対に許さない。 絶叫が先ほどから鳴り止まない。 成体ゆっくりが全て杭に刺されると、次は子ゆっくりと赤ゆっくりの出番だ。 男の手が無造作に子ゆっくりを掴んだ。 「やめちぇね! まりしゃ、ゆっくちしたいんだじぇ! ぷーすぷーすさんは ゆっくちできないんだじぇ! やめちぇ、やめちぇ……いやじゃあああああああ!」 悲鳴をあげながら、子まりさが刺された。 「ゆっくちとかいは! ありしゅはゆっくりしたとかいはなゆっぐりなの! だがらにんげんざん、だずげでね! ありしゅだけはだずげでね!」 「……」 男は無言で、子ありすを慎重に竹串に刺していく。 「やべちぇえええええ! いじゃい! いじゃいよおおお!」 子ありすは涙を流して尻をもるんもるんと振る。 「かとうしゅのにんげんのくしぇに、なまいきだよ! れいみゅ、ぷくーするよぷくー! ぷくー……! ぷしゅるるる、やめじぇ! れいみゅのほっぺたつままにゃいで! ゆんやああああああああああああ! おとうしゃん! おかあしゃんだじゅげでえええ!」 ぷくー、をしていた子れいむも竹串に突き刺さった。 そして、とうとう赤ゆっくりたちの出番がやってきた。 サブリーダーであるれいむと、ドスまりさが絶叫する。 「やべであげでね! ゆっぐり゛やべであげで! あがじゃん! あがじゃんだげは ぶーずぶーずじないでね! おねがいじまずうううう!」 「どずがゆるざないよ゛! ゆっぐりじだ! がわい゛い゛おぢびじゃんをいじめる゛のだげは ぜっだいに…………」 男がミドルキックを、ドスの腹部に叩き込んだ。 「ひべぎゃあ!? ず、ずいまぜん! ずいまぜんでじだ! なまいぎいいまじだ! でぼ! おぢびじゃんだげば!」 「あっはっは。ドスまりさくん、それは駄目です。不公平でしょ? こういうことは、ちゃあんと 平等に、綺麗に、公平に、真っ当に、一切合切きちんとやらなくちゃね」 博士は笑いながらそう言って、器用に赤ゆっくりたちを細く長い針で突き刺していく。 「ゆっじゃああああ! いじゃいよおお! ゆんあー! ゆんあーーーー!」 そうして、三百匹はいた群れのゆっくりたちが、全て杭に突き刺さった。 中には、一本の杭にまとめて三匹突き刺さっているものもいる。 誤って中枢餡を刺し貫かれて一瞬でゆっくりした者もいたが、九割以上のゆっくりは、 まだ痙攣しながら生きていた。 「さあ、ドスまりさくん。これが貴方の選択の代償というやつです。 人間が貴方たちに食料を献上する? 先代が口を酸っぱくして教えていたことを、何一つ 学ばなかったんですねえ、君は。まあ、過酷な時代を生き抜いた世代と、安穏として暮らしていた 世代とでは、餡子の質が違いますか」 「ゆ……が……」 「でもまあ、安心してください。ここから先、僕たちはあなたたちに何も危害を加えませんよ。 それどころか、望み通りに食料を与えてもあげましょう。ただし、君たちはそこから一歩たりとも 動けませんけどね」 あはははは、と楽しそうに笑う博士を見つつ……ゆっくりたちは一斉に叫んだ。 「「「ゆ゛ん゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」」」 それから、二ヶ月が過ぎた。 雨が降れば、溶けてゆっくりできると思ったが甘かった。彼らはちゃんと、防水のビニールシート をその区域に被せていた。 最初の頃は、蟻に生きたまま食われる赤ゆっくりや子ゆっくりたちが続出した。 「やめるんだじぇ! ありじゃんはゆっくぢむこうにいくんだじぇ! やめじぇ、やめじぇ……ゆんやあああああ! まりちゃのあんこしゃんがだべられりゅうう!」 「おぢびじゃあああん! おぢびじゃああああああああん!」 山の持ち主はこれを防ぐため、防虫スプレーをゆっくりたちに掛けて回った。 「ぷしゅぷしゅさんはぐざいよ! ゆっぐりでぎないよ!」 そんなクレームは黙殺された。 非ゆっくり症に追い込まれたゆっくりがいた。 だが、彼らには非ゆっくり症を防止するためのゆーくりーむが与えられた。 それも、躾用として販売されている「無味」タイプのもので、あまあまの味すら期待できない。 ゆっくりたちは、老衰を別にすれば餡子が半分以上漏れるか吐き出さない限り死ぬことはない。 餡子を吐き出すようなゆっくりにはゆーくりーむで精神の安定が図られている今、ゆっくりたちは 死ぬことすらできずに、あんよから脳天まで突き刺さる強烈な痛みに悶え苦しみ続けた。 すーやすーや? すーりすーり? そんなことはもちろん不可能だ。 ある日。 子れいむが、とうとう我慢できずに泣き叫び始めた。 「おがあじゃん! おがあじゃん! いだいよ! いだいよ! しゅーりしゅーりしたいよ! しゅーりしゅーりしだいよ! ゆんやああああ! ゆんやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「おぢびじゃん! おぢびじゃん! まっででね! いま、そじらにいぐがらね! ゆ、ぎ…… ゆぎぎぎぎ……!」 ぶち、ぶち、ぶちぶちぶち! 耳障りな音を立てて、親れいむが杭から離れた。 「おぢびじゃん……いま……いぐがらね……」 「ゆっくりまってるよ! ゆっくり! ゆっくり!」 親れいむは、ボロボロの顔でにっこり笑っておちびちゃんの前に立って、すーりすーりしようと 顔を近づけた――が。 「ゆ……べ……」 「おかあ……しゃん?」 子れいむには見えていなかった。 親れいむの背中は、強引に杭から離れたせいで完全に引き裂かれていた。 そこから漏れた大量の餡子のせいで、彼女は永遠にゆっくりしてしまったのだ。 「おかあしゃん……しゅーりしゅーりしてね……しゅーりしゅーりだよ……おかあしゃん? おがあじゃん……おが……ゆ……あ……ゆんやああああああああああああああああああああああ!」 男はその死体を蹴り飛ばして、子れいむに告げた。 「お前が我が侭言わなければ、お前の母さんは死ななかったのにな」 「ぞんな……ぞんな……ぞんなあ゛あ゛!」 子れいむはあっという間に廃ゆっくりとなってしまった。 時折、竹串の痛みに震えながらぶつぶつと呟くだけだ。 ボロボロのドスが懇願する。 「ぼねがいじまず……ごろじでざぜでぐだざい……」 サブリーダーのれいむも涙を流しながらお願いする。 「れいむがまぢがっでまぢだ……せんだいどすは……ずごいゆっぐりでず……。 だがら……ぐずのれいぶだぢを……ごろじで……」 他のゆっくりたちも後に続く。 「おねがい……おねがいいいい……」 「もうやだあ……じにだい……じにだいよお……」 「づらい……づらい……いぎるのやだあ……ゆっぐりもじだぐない……もう、 じぬだげでいいんでず……」 もう、ゆっくりすることすらどうでもいい。 今の彼らには、ただ死ぬことだけが望みだった。 だが、男は告げる。 「駄目だ。お前たちが全滅すると、他の群れがやってくる。そうするとアレだ、 その……また一から人間との力関係を教えるのが、めんどくさい」 男はあっさりと、彼らの切なる望みを「面倒」の一言で切り捨てた。 「ぞんなあ゛……めんどぐざいっで、ぞんなあ゛……」 ドスまりさは理解していた。 これが「復讐」「制裁」「怒り」からやったものならば、まだいいのだ。 いつか怒りが頂点に達してトドメを刺してくれる、いつか怒りが和らいで許してくれる。 だが、面倒臭いというのは致命的だ。 面倒である限り、彼はとことんまで自分たちを生かし続けるだろう。 男は言う。 「梅雨どきはちゃんと、一人一人に防水加工をしてやる。れみりゃやふらんは追い払ってやる。 冬は、お前等が死なない程度に温かくするか、冬眠したくなるほどに寒がらせてやる。 お前ら、野生ゆっくりにしては幸運だぞ。年寄りになって死ぬまでゆっくりできるんだからな!」 男は笑う。ただひたすら、笑い続ける。 その笑いを聞きながら、ゆっくりたちは意識が遠のくのを感じていた。 ● ● ● ここは、ぱちゅりーが長を務める小さな群れ。 珍しいことに、今日は山から山へと旅をするゆっくりたちが客ゆっくりとして来訪していた。 広場に集まり、群れたちは旅ゆっくりたちの『えきさいてぃんぐ』な話に聞き入っていた。 「あんよからあたままで、ぷーすぷーすされてて……ずっとそこにいるんだぜ。 あのゆっくりできるはずのドスもなんだぜ!」 「わかるよー。ころして、ころしてってさけびつづけるんだよー! こわいよー!」 「ありすもきいたわ。にんげんさんにさからって、そんなばつをゆっくりえいきから あたえられたんですって!」 「れいむはえいきじゃなくて『はかせ』ってにんげんさんがやったってきいたことあるよ!」 「みょん! 『はかせ』はまっしろいしにがみだってきいたことあるみょん!」 話を聞く群れのゆっくりたちの表情は、恐怖のせいで青白くなっていた。 「ゆわあああ……きょわいよ……」 「ゆゆゆゆっぐりするんだぜ、おぢびじゃん……」 「まりさこわがりすぎだよ! ね、ねえ……おさ? こんなの、うぞだよね?」 「むきゅ。とにかく、こわいおはなしよね……」 (かれらのいう『はかせ』があの『はかせ』だとしたら……むきゅ。そうぞうもしたくないわね) ……旅ゆっくりたちの間で、伝説のように語られている話がある。 とてもゆっくりできそうな、とある山。 そこには、地獄に堕ちたゆっくりたちが姿を現すのだという。 「ころして、ころして、ころしてください」 と、彼らを監視する鬼に泣いて懇願するのだという。 だがしかし、鬼はその願いを聞き届けず。 そのゆっくりたちは、永遠に地獄の底で苦しむのだという――――。 <あとがき> 最初に群れから出て行ったぱちゅりーは、準レギュラーの彼女です バニラあき様、勝手ながら「ゆーくりーむ」の設定をお借りしました。 ありがとうございます。 感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1304613952/ 過去の作品 anko3216 愛するでいぶ anko3238 ゆ虐思考 anko3257 赤ゆ十連発(前編) anko3263 赤ゆ十連発(後編) anko3271 手を触れずに殺害せよ anko3274 子ゆっくりのゆん生が終わるまで anko3300 何もしない 赤ゆ編 anko3312 れうこくろりぐる anko3342 テンプレ的自滅シークエンス anko3358 くらくなるまでまってね! anko3368 ぷりぷりもるんもるん anko3428 子まりさと仲良し家族 anko3446 まりさ一家の転落ゆん生 anko3478 ぷーすぷーすぷーす! 挿絵:
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「ふたば系ゆっくりいじめ 943 軽いイタズラ/コメントログ」 こういうの好き。 -- 2010-06-15 02 24 57 ふふふ… -- 2010-06-20 10 59 01 軽いイタズラはゆっくりできるよ -- 2010-06-24 18 08 08 こういうのは好きです。こんなの本当に些細なイタズラですよね -- 2010-07-05 01 49 52 どぼじで赤ゆが全部死んでないのぉぉぉぉぉぉ!! 越冬用の食料を全部食べずに出てきた家族は潰さないと駄目でしょおおおおおお!? -- 2010-09-20 06 45 59 ↓そのとおりだよおおおお!!みなごろしはきほんでしょおおおおお!! -- 2010-09-27 23 47 50 良い悪戯じゃないかw こういうの大好き -- 2010-11-27 17 44 22 この人は紳士。 -- 2010-12-15 06 28 44 やりくりじょうずでごめんね!にイラッ☆ときたw -- 2011-05-09 00 46 34 んっほおおおおおおおおおおおおおおお!すっきりいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! -- 2011-10-27 21 55 42 思い込みのナマモノなんだから冬を春と思い込みそうなもんだがな -- 2012-03-01 15 42 09 この人すばらしいな!!それに比べて糞饅頭ときたら -- 2012-07-26 16 30 38